40歳から始める筋トレとダイエット(ボディメイク)

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30代の後半~40代以降の運動不足や体型が気になり始める年代向けに食事制限と筋力トレーニングを併用したボディメイクのために重要な知識、方法論、ダイエットにおける摂取カロリーや栄養素の考え方などをわかりやすく解説。

運動不足や体重・体脂肪率の増加に悩むアラフォー世代へ

30代後半にもなってくると、特に男性の場合はお腹(下っ腹)が出てきたり、全体的に贅肉(体脂肪)がついて締まりがなくなってくる体型が気になり始めるのではないでしょうか。

特に若い頃からスポーツなどをやっていて、「太る」ということにあまり縁がなかったような人ほど、歳をとってからの自分の体型の変化に焦るものですし、慌ててジョギングなどをしても体重や体脂肪率は本人が思うほどは落ちず、落胆することもあると思います。

実は私もそうだったのですが、30代の終わり頃から体重の増加が気になり、食事の量を抑えること -要するにおやつなどの間食を我慢したり、外食時もなるべく脂っこいものや甘いものを食べるのは避けるなど- で摂取カロリーを制限したり、週に何度かジョギングをしたりと自分なりに気を使ってはいたのですが、体重は大きく増加はしないものの減りもせず、体脂肪率もたいして変化なしという状態が数年続きました。

昔からの友人や奥さんなどには最近ちょっと丸くなった? みたいに言われることはあっても、他人からみれば一般的に「太っている」と言われるような体型ではなかったとは思いますが、自分がベストだと思っている体重から 5kg くらいは増えていましたし、40歳を超えると「このままじゃダメだ」という意識がどんどん強くなっていきました。

そしてついに半年ほど前(2017年の春先)ですが、「一度きちんとしたトレーナーさんに見てもらって肉体改造しよう」と思い立ち、近所で見つけたパーソナルトレーナーさんのもとで本格的なトレーニングを始めました。

その課程で摂取カロリーや栄養バランスについての考え方、さらにひとくちに痩せる(ダイエット)と言っても、どういう運動やトレーニングを行うのが効果が高いのかなどについて色々と教えてもらい、今までの自分がやっていたことが実はあまり意味がなかったことを知るにいたるなど、その経験は私にとって大きな転機になりました。

そこで、私と同じようにこれから筋トレやダイエットを始めてみようかなと考えている同世代の人たちに、詳しい知識もなく、なんとなくダイエットっぽいことをしてみたり、筋トレも学生時代に部活の延長でやった以外は本格的にやったことがない、全くの初心者だった私が、たかが1年にも満たない程度の短い期間ではありますが、今までに学んだことを共有しようとこのページを公開しています。

ジョギングなど運動はしている、食事には気を使っているつもりなのに体重や体脂肪率が落ちない、痩せない、格好いい体型にならないと悩んでいる方の参考になれば幸いです。

はじめに

まず最初に筋トレやダイエットをはじめる前に知っておきたいごく初歩的なお話を。

自分にあったやり方を見つける参考に

この記事を読んでいただく時に注意していただきたいのは、ここで書かれていることが「絶対に正しい」ということではないということ。

このページは、私が初心者なりに自分で色々と調べた中で、過去に発表されている論文や、広く読まれ、信頼を得ている書籍などの内容を基に、十分にエビデンスがあり、現時点で正しいと考えるに値すると感じた情報をまとめたつもりですし、それを確認できるよう、可能な限り根拠となるページへのリンクなども掲載しています。

また、それ以外にも私が実際に行ったり、パーソナルトレーナーさんに教えていただいて効果があったと感じたものをまとめているわけですが、

  • 個人の体質やスタートとなる体重(例えば極度な肥満からスタートする人と、そうでない人とでは、同じ事をやっても効果のあらわれ方が異なったりします)
  • その人の年齢(私よりもっと若い人、もしくはもっと年配の人では食事制限の仕方や必要な栄養素、筋トレのアプローチは当然異なります)
  • 目標となる体重や体脂肪率など、その人が「どこを目指すのか」というゴールイメージ
  • トレーニングにかけられる時間やお金などの個人差
  • トレーニング経験(ある程度の筋トレ経験がある人なのか、まったくの初心者なのか)
  • ダイエットやボディメイクのためなのか、何かのスポーツ、競技大会などで成果を出したいのか、といったそもそもの目的

などによって、私が書いたことがそれを読んだすべての人に当てはまるとは限りません。

また、たかが筋トレ歴1年未満(2017年10月時点で)の筋トレ素人が書いている情報ですから、上級者さんから見ればそんな初歩的なことからかよとか、もっとこういうやり方もあるよなどといったご意見もあるとは思いますし、筋トレやダイエットの方法論や理論に関しては、世の中には様々な情報があふれており、「あの人はああ言っていた」「この人はこう言っていた」という風にいくらでも違う考え方は出てくるかと思います。

ですので、私がここで書いている情報は「あくまでひとつの判断基準」としていただいて、よいと思えば参考にしていただければと思いますし、自分には合わないなと思えば、別の方法を探っていただくのもよいと思います。その中で自分にあったトレーニング方法や食事法などが見つけていくのも、また楽しみのひとつかなと思います。

このページの情報がマッチしそうな人

ちなみに私は現在40歳代前半、トレーニングを開始しようと思った時点では、身長175cmで体重74kg、体脂肪率23~24%という状態でした。

多分、服を着ている分には外見から太ってるようには見えない程度。元々学生時代からスポーツ(サッカーやフットサルと剣道)をやっていたこともあってか、印象的には、「デカくはないけど比較的ガッチリした人」みたいに見られるケースが多かったです。初対面で「何かスポーツされてました?」みたいに聞かれることも多いので概ねそんな感じに見えるのかなと。

そのような状況で、自分が設定したゴールイメージは、次のセクションの最後で詳しく書いていますが、簡単に言えば、「デブでもないけど、痩せてもいない、ちょっと自分の体型が気になり始めた中年男性が、大多数の人がみていい身体してんなって言われるくらいの体型まで持って行きたい」というところ。

このゴールイメージにどうやったら最も効率よく近づいていけるか、というのを考えて行動を起こしたわけです。

つまり、私と同じような悩みというか、「別にデブと言われるほど太ってはいないけれど、最近運動も全然してないし、このままだとやばくね」みたいに思っている30代~40代くらいの人には内容がマッチするかもしれません。

一方で、健康診断で痩せないと死ぬよって医者から言われたとか、数値的にヤバイ数値が出ていますみたいな人はまた別のアプローチが必要かもしれないですし、筋トレの内容にしても、例えば私よりもっと年配の人の場合は、怪我のリスクを考えれば、私がここで書いているよりも強度や回数を減らして慎重に始める必要があるかもしれません。逆に若い人ならもっと激しくトレーニングしても回復や成長が早いかもしれません。その辺を踏まえた上でお読みいただければと思います。

ゴールイメージを決める

年齢に関係なく「筋トレをすること自体」が目的という人はあまりいなくて、筋トレはあくまで手段、その先に必ず達成したい目標、目的があるはずです。

例えば30代後半や、40代の人が筋トレをはじめるといった場合は、出てきたお腹を引っ込めたい、もっと格好いい身体になりたい、単純に体重を落としたい...... などなどの目的があると思いますが、まずはその目的(= ゴールイメージ)を整理しましょう。

このゴールイメージがきちんと整理されていないと長い目でみたときに遠回りをすることになりますし、情報過多の世の中で、色々な情報に惑わされてしまう原因にもなります。

また、このページで書いていることも、私が設定したゴールイメージに対して、私を含めた筋トレ初心者がいかに効率よく近づいていくかについてまとめたものですので、ゴールイメージが異なる方が読んでも恐らくあまり参考にならないと思います。

具体的にどうなりたいのかを考えてみる

  • 3ヶ月で体重を10キロ落としたい
  • 体脂肪率を10%台にしたい
  • ウエストのサイズを○cmにしたい、服のサイズを○号にしたい
  • 男性らしい逆三角形のシルエットを手に入れたい
  • シックスパックに割れた腹筋を手に入れたい
  • ベンチプレスで100kgを挙げたい

など、まずは自分が目指しているものが何なのか、一度考えてみましょう。

例えば、見た目とかあまり気にせず「単に体重を○キロ落としたい」という場合と、「男性らしい逆三角形のシルエットを手に入れたい」という場合では、もし後者を目指したことで、結果的には同じ体重減になったとしても、やるべきことやかかる時間などがかなり違ってきます。

「男性らしい身体を手に入れたい」と「ベンチプレスで100kg挙げたい」は目標的に同じように感じるかもしれませんが、「とにかく早くベンチプレスで重たい重量を挙げたい」というだけなら、ダイエット的なことは一切関係ないですし、筋肥大(筋肉を大きくする)をするには、基本的に体重を増やさないといけませんから、ゴールに到達した際の身体には大きな差が生まれる可能性もあります。

個人的には私もやったように、あまり体重や体脂肪率の数値だけにこだわらず、「見た目」でこうなりたいという目標をイメージするのがよいと思います。その参考になるのが「体脂肪別の見た目」です。

体脂肪別の見た目

男性の場合は「割れた腹筋」がいい身体しているかの目安になることが多いですが、腹筋が割れているかどうか(正確には腹筋の凹凸が目視できるかどうか)は、腹筋をどれだけ鍛えたかというのは実はそれ程関係なく、「体脂肪率」で決まります。

下記に体脂肪率別の見た目について比較した画像を掲載しておきますので確認してみてください。

体脂肪率別の見た目例(男性)

体脂肪率別の見た目例(男性)

写真は「Body Fat Percentage Photos of Men & Women - BuiltLean」から引用

男性の場合は概ね体脂肪率が15%を切ると、腹筋が割れた状態になります。これを言ってしまうと身も蓋もないですが、腹筋を割りたいなら痩せりゃいいってことです。その上で腹筋の立体感(凹んだ部分の深さ)を出したいなら腹筋を鍛えましょうみたいなイメージですね。

体脂肪率が6%以下になると大会出場時のボディビルダーさんやフィジーク選手などのレベルですが、ここまでいくと皮膚表面に血管が浮き出てきたり、かなりすげぇって感じの身体になります。ただ、ボディビルダーさんとはいえ、普段からずーっとこんな体脂肪率で生活しているわけではありませんから真似しないようにしましょう(そもそも真似できないと思いますけども)。

男性の場合、「いい身体してますね」みたいに言われるのは、体脂肪率で言えば15%を切ったくらいからになると思います。ただ、同じ15%の体脂肪率でも、全体的な筋肉量が少ない15%と、筋肉量が多い15%では、見た目的にかなり差がありますし、例えば大胸筋などが発達していないと、「ガリガリ」「細い人」みたいになってしまう可能性があります。

別にそれが悪いとは思いませんが、単に体重や体脂肪率だけを気にしてどういう身体になりたいのかをイメージしないと、折角数値的な目標はクリアしたのに、本来自分がなりたい身体とは違うという状態に陥ってしまう場合があるので「どういう身体を手に入れたいのか」という「見た目」のイメージを明確に持つことはかなり重要だと思います。

体脂肪率別の見た目例(女性)

体脂肪率別の見た目例(女性)

写真は「Body Fat Percentage Photos of Men & Women - BuiltLean」から引用

参考までに女性の場合ですが、体脂肪率25%~30%くらいまでだと普通に健康的な体型だと思いますので、男性とはちょっと異なりますね。

男性で25%になると、服を着ていれば太っているようには見えないけれど、自分ではちょっと体型を気にしないとまずいよな...... と思い始める感じ(まさにトレーニングを開始した当時の私の状況)になる体脂肪率だと思います。

私が設定したゴールイメージ

で、私の場合はガリガリに痩せたいわけではないので、筋肉をある程度付けつつ、最終的に体脂肪率を15%程度まで持って行くことをゴールイメージに設定しました。

具体的には、

  • 1年間で体脂肪率を15%以下にする(見た目的な目標は上の写真の「男性 - 15%」がまずはターゲット)
  • 筋肉量については長年筋トレなどやっていなくてわからないので、ひとまず自分の体重と同じ重さ(目標としては70kg)をベンチプレスで上げられるようになりたい ※

※ メモ
このくらいの重量だと、筋肉量がどうこうというより、神経系の発達やベンチプレスのテクニック向上(要するに慣れ)で、1年くらいマジメにトレーニングを続けていれば挙げられる範囲というのが一般的な考え方らしいので、筋肉量が飛躍的に増えるような感じではないと思います。しかし、詳しくは後述しますが、食事制限だけで痩せてしまうと筋肉も落ちてしまうので、これくらいを目標にしっかり筋トレすることで筋肉量を維持しつつ目標の体脂肪率まで緩やかに持って行くイメージです。

体脂肪率が目標に到達したときの体重を把握

ゴールイメージを設定したところで、実際にそのゴールに到達するとして、その時の自分の体重を想定してみます。

除脂肪体重の計算

まず、体脂肪を除いた体重、「除脂肪体重(LBM / Lean Body Mass)」を計算してみましょう。現在の体重と体脂肪率がわかっているなら簡単に計算できます。

除脂肪体重 = 体重 - 体重 × 体脂肪率

例えば、体重74kgで、体脂肪率が25%の人なら、55.5kgが除脂肪体重、つまり体脂肪率0%時の体重ということになります。一方で体脂肪の重量は18.5kgということになりますね。

では、この除脂肪体重を変えないまま、体脂肪率を15%にした場合の体重はどうなるかというと、

55.5kg = x - x × 15%

になるわけですから、概ね65kgくらいになる計算ですね。つまり、元の体重、74kgから考えると、9kgの減量ということになります。

この体重と体脂肪率に到達すれば、除脂肪体重は変わらない、要するに筋肉量は減っていないということになりますので、体脂肪だけを9kg減らしたということになり理想的です。

筋肥大と体脂肪減少は両立できない

さてここで、筋トレをするわけだし、筋トレで筋肉量が増えれば除脂肪体重は維持というよりも増えるんじゃないの? と思うかもしれません。折角筋トレするなら「筋肉量を増やす(筋肥大させる)」ことができた方がいいし、それを期待する人も多いと思います。

しかし、残念ながら理論上は「筋肥大と体脂肪減少は両立できない」という結論になります。

というのは、体脂肪を落とすためにはカロリー収支をマイナスにする必要があります(詳しくは「カロリー収支をマイナスにすれば必ず痩せる」セクションを参照)。一方で筋肥大するには、カロリー収支がプラスの状態になっていないといけないんですね。カロリー収支がマイナスの状態では、身体が筋肉を太くするのに必要なエネルギーが足りない状態になってしまいます。

しかし、この理論的には両立できないはずの筋肥大と体脂肪減少が両立してしまうタイミングといいますか、お得な時期が存在します。それが「ある程度体脂肪がある状態から、筋トレを始めた初心者の時期」と言われています。

筋トレ初心者の場合、効率的なトレーニングと適切な栄養摂取を行えば、1ヶ月に体重の1~1.5%、1年間なら体重の12~19%程度の筋肉量増加を狙えるそうです※(筋トレ歴が長くなるほど、1年間に増やせる筋肉量は減っていきます)。

※ 「What's My Genetic Muscular Potential? : Bodyrecomposition」 より

もちろん、筋肉量を増やすためにはカロリーが必要なので、前述したとおり、カロリー収支がマイナスの状態では理論上、筋肉量を増やすことはできないのですが、「体脂肪がある(太っている人ほど有利)」+「筋肉量が少ない(伸びしろがでかい)」という状態のごく初心者に限っては、適切な筋トレをしっかり行うことで、身体に蓄えた体脂肪を使いながら筋肥大を行える可能性があります。

その意味でも、これから筋トレをはじめる初心者程、きちんとした知識を持って取り組めば、効果が出しやすいということになりますし、知らずに闇雲な筋トレをしてしまうと、貴重な時期をとてももったいない形で過ごしてしまう可能性もあるということです。もったいないですね。

体脂肪計の数値を盲信しすぎない

ゴールイメージの話などをして、目標体脂肪率が15%とか言ってるそばから体脂肪計の数値を信じるなとか何言ってんだと思われるかもしれませんが、結構これ重要です。

というのは、世の中にある体脂肪計は、測定時に体に微弱な電流を流すことで、その抵抗値を計測して体脂肪率などを「推定」するもので、高価な製品か、そうでないかに関わらず、必ず誤差が生じます。よってあまりに数値ばかりを気にしすぎると、すごく頑張って食事制限やトレーニングをしたのに体脂肪率が思ったより下がらない、あるいは逆に上がってしまったみたいなことで、モチベーションが下がってしまう場合があります。

体脂肪計は測定する時間やタイミングなど、ちょっとしたことで数値が変わる可能性がありますので、あくまで目安と考えるのが無難です。

最強の測定装置は自分の目

体脂肪計をあまり信じないようにって言うけどじゃあどうやって日々の成果を確認すればいいんだよと思いますよね。そこで重要になるのは、鏡と自分の目です。

つまり、毎日鏡で自分の身体をチェックしましょう。そして、上の「ゴールイメージを決める」セクションで示した各体脂肪率ごとの見た目目安と比べて、今の自分の身体がどうかを確認します。

最初にも書きましたが、ダイエット、トレーニングの目的は「数値的に目標をクリアする」ことではなく、「自分が求める身体を手に入れる」ことです。見た目チェックで自分が納得いく身体になっていれば、その時の体脂肪率が仮に「18%」などと、数値上は目標をクリアしていなくても全く問題ないということです。逆に数値が「12%」などと目標を大きくクリアしていても、見た目が自分の理想と違えば意味はありません。

この、何が最も重要なのかという点は常に忘れないようにしましょう。そうすれば体脂肪計の数値に毎日一喜一憂することなく、長期的に見て自分が理想とする身体を手に入れるための食事制限やトレーニングに打ち込むことができると思います。

カロリー収支をマイナスにすれば必ず痩せる

痩せるためには「摂取カロリー制限すればよい」、もう少し詳しく言うと「その人が1日に消費するエネルギー(カロリー)よりも、1日に摂取するエネルギー(カロリー)を少なくすれば痩せます」と言えば、そんなこと当たり前だろと思う人も多いと思いますが、実際にはこれがまず基本であり、最も重要な事実です。

この、人が1日に消費するカロリーと、摂取するカロリーの関係を「カロリー収支」と呼びます。家計などと同じですね。1日に消費するカロリーが家計でいう1日の生活費など支出、摂取カロリーが家計でいうお給料などの収入と考えるとわかりやすいと思います。

収入より支出が少なければ、黒字(プラス)になって貯金ができます。逆なら赤字(マイナス)ですから貯金を崩して生活しないといけません。同じならトントンということですね。家計の場合は赤字になると困りますが、カロリーの場合は赤字になれば痩せるということになります。

体脂肪 1kg あたりのカロリーは7,200kcal

「痩せる」ということ、つまり今よりも体脂肪を落としたり、それによって全体的な体重を落とすことを考える場合、身体の健康とか、見栄えとか、そういうことを全く無視して単純に言ってしまえば、「食べなければ良い」=「カロリーを摂取しなければよい」という話になります。

とてもざっくり言ってしまうと、人間の身体は摂取カロリーが消費カロリーを下回ったとき、体脂肪などから必要なエネルギーを取り出して利用しようとしますので、それによって体脂肪が燃焼して減っていきます。つまりカロリー収支をマイナスにしておけば、身体は体脂肪を使って維持されるので結果として痩せていくというわけです(厳密にはこんな単純な話ではないのですがわかりやすく言うと)。

脂質の1gあたりのカロリーは「9kcal」と決まっています。これは植物性でも動物性でも同じ。そして人間の体脂肪は、80%がこの脂質、残り20%が水分と言われています。つまり、体脂肪1kgには、800gの脂質が含まれているということですね。ですから、体脂肪だけを1kg減らすには、800g × 9kcal = 7,200kcal分、摂取カロリーをマイナスすればよいということになります。これはあくまで単純な計算上ですよ。

例えば「90日」で「10kg」体重を落としたいと考えた場合、90日の間に計72,000kcal分(8,000g × 9kcal)のカロリーを何らかの形で身体が必要とするカロリーより少なく(マイナス状態)すれば計算上は痩せますね。

摂取カロリーは変えないまま、72,000kcalを毎日余分に運動することで消費してもよいですし、単純に摂取カロリーをその分減らすという方法もあります。

72,000kcal / 90日ですので、1日あたり800kcalという計算になりますから、毎日800kcal分の運動をするか、1日に必要なカロリーが「2,600kcal」の人であれば、1日の摂取カロリーを1,800kcal(2,600kcal - 800kcal)以内にして約3ヶ月生活すればよいということになりますね。

ただし、運動によってカロリー収支を調整するのはかなり大変です。例えば上で書いた1日800kcal分の運動をする場合、例えばランニングなら毎日80分くらい(距離でいうと体重70kgの人が10km~12kmくらい)走らないといけません。それに比べれば食事制限でカロリー収支を調整する方が簡単ですから、基本は食事制限と考えましょう。

重要 極度の肥満状態の人などが急に運動によってカロリー収支を調整しようとすると関節などに負担がかかって怪我の原因になったりしますのでそういう人は特に注意してください。まずは食事制限をしましょう。

計算上ならこういう単純な話になります。ただし、実際には「体脂肪だけ」をこの計算通りに消費することはできず、食事制限のみを行うと筋肉量も同時に減っていきます。

筋肉の量が減ると体重自体は落ちると思いますが、長期的にみたときに「痩せやすく、太りにくい身体」を作ることはできないのと、前述した通り、目標は単に数値的に体重を落とすことではなく、理想とする体型に持って行くことなので、筋肉量は落とさないように筋トレを組み合わせたり、必要な栄養素を考えることが必要になります。

この辺のことを続くセクションで詳しく解説していきます。

食事制限だけだと筋肉が減ってしまうわけ

カロリー収支をマイナスにすれば必ず痩せると上で説明しました。しかし食事(カロリー)制限のみでダイエットをすると、身体は体脂肪と同時に筋肉からも足りないエネルギーを取り出そうとするため、筋肉量も減ってしまいます。

人間の身体は都合よく体脂肪だけを減らしてくれないので、食事制限だけでは体脂肪も落ちるけど筋肉も同時に落ちてしまう。食事制限をしたときに、筋トレを併用しないと筋肉がどんどん減っていってしまうのはこのためです。

筋肉量は維持し、除脂肪体重を変えずに体脂肪だけを減らしていくためにも、食事制限だけでなく、筋トレを併用することがとても重要になります(もちろん単に体重を落としたいだけなら食事制限だけで、無理に筋トレする必要はありません)。

健康的に痩せるには食事制限+筋トレ+栄養バランス

このページで解説しているのは、単に数値的な体重を○kg落とすというダイエットではなく、筋肉量を維持しながら健康的に痩せる、そして男性らしい、あるいは女性らしい身体を作るボディメイクの方法論です。

そのためには、食事制限に加えて、適切な筋トレと、筋肉量を維持するために必要な栄養バランスが重要になります。この辺については「ダイエットに筋トレが必要なわけ」セクションでもう少し詳しく解説しています。

あわせて、栄養素の中でも特に重要になるタンパク質や、その適切な摂取タイミングなどについて「筋トレ時に重要な栄養素とお勧めサプリ」セクションで解説していますのであわせてお読みください。

絶対にやってはいけないこと

自分が1日に消費するカロリーよりも、摂取するカロリーを減らして(マイナスにして)あげれば痩せるというのは、「カロリー収支をマイナスにすれば必ず痩せる」セクションで説明した通りです。

そして、次のセクション「自分のエネルギー消費量を把握しよう」では、自分のエネルギー消費量について計算して把握します。

そこまで行くと、あとは目標に向かってどの程度の食事制限をすればよいかを、目標達成までの期間などから算出すればよいのですが、ここで絶対にやってはいけないことは、いくら早く目標を達成したいからといっても、「自分の基礎エネルギー消費量を下回るような極端な食事制限をしてはいけない」ということです。

特に女性が短期間で痩せようとするとこれをやらかす傾向がありますが、生命を維持するのに最低限必要なカロリーすら下回るような食事制限を続けると、それはもうダイエットのための食事制限というレベルではなく極度の飢餓状態に陥っていることになりますし、身体に必要な栄養素などが足りず、健康被害をもたらす可能性があります。

これは、何か特定の食物だけを取り続けるような偏った食事法によるダイエットも同じです。ひたすらリンゴだけ食うとか、そういうことをやると、1日、2日だけならいいですが、続けることで栄養バランスが著しく偏り、もしそれで体重が落ちても、肌が荒れたり、髪の毛がバサバサになったりと、健康とは程遠い痩せ方(こういうのは個人的には痩せたんじゃなくてやつれただけって思います)をしてしまいますので、その点は注意してください。

食事制限するとはいっても、後述するマクロ栄養素の計算を基に、バランスよく栄養を摂取することが重要です。

楽して理想の身体は手に入らない

ダイエットを始めたり、筋トレを始めると、もっと楽に早く痩せたらいいのになとか、もっと簡単に筋力つかねぇかなとか、人間というのは楽な方法、短期的に結果が出る方法を探しがちです。

巷にはこれだけ飲んでれば痩せますとか、このシャツを着るだけでマッチョにとか、貼っておくだけで電気刺激で筋肉がーみたいな商品があふれていますが、基本的に着ているだけ、飲んだだけ、貼っておくだけで筋肉が大きくなることは絶対にありませんし、痩せることもありません。

また、痩せるには必ず食事制限(カロリー収支がマイナスの状態)が必要です。筋トレをやっているからといって、好き放題ビール飲んだりラーメン食べていれば太りますし、カロリー収支がプラスの状態で痩せることはありません

毎日ランニングしているのに痩せない...... というなら単純に摂取カロリーがランニングなども含めた消費カロリーを上回っているだけの話ですので、その辺は真摯に受け止める必要があります。

結局のところ自分との戦いみたいになりますが、あまりストレスを感じて短期間でやめたくなるような無理な目標は設定せず、自分が楽しみながら身体の変化を感じていけるような方法論を見つけることが大切かなと思います。

歳を取るとさらに難易度が上がる

成長ホルモンは筋肉の量を保ったり、体脂肪を減少させることにも影響しますが、この成長ホルモンの分泌量は思春期にピークを迎えると、それ以降は年齢とともに低下します。概ね、17歳~18歳くらいにはピークを迎えてそこから年々分泌量が下がっていくわけですので、30代後半や40代になると、若い頃に比べて成長ホルモンはあまり分泌されず、若い人と同じ運動や筋トレを行っても、筋肉は発達しにくいし、体脂肪も落ちにくくなるわけです。

歳を取って別に大食いしたりしていないのになんで太るの? といえばそういう身体の変化も関係するということですね。つまり、歳を取ってから筋トレやダイエットでいい身体を手に入れたいと思った場合、それは若い頃より多くの時間と努力を必要とするということです。

だからこそ、焦らずコツコツと継続することが重要になりますから、張りきって無理な筋トレやダイエットをやって短期間で挫折するような方法ではなく、長期的に生活習慣にできる筋トレや食事制限の考え方をきちんと理解することが大切です。

自分に必要なカロリーと栄養素を把握しよう

筋力トレーニングやダイエットを始める際に必要なのは「自分の現在の状況を知る」ことです。その最も基本的な情報として、今の自分の「基礎エネルギー消費量」と、そこから「推定エネルギー必要量」を算出します。この数値が「1日の摂取カロリー目安」と「マクロ栄養素」を決定する上で重要になります。

基礎エネルギー消費量(BEE)とは?

基礎エネルギー消費量(BEE / Basal Energy Expenditure)とはいうのは、人間が何もせず安静にしていたとしても、生命を維持するために行われる様々な活動(例えば内臓を動かしたりといったことですね)に必要なエネルギー量(カロリー消費量)を指します。「基礎代謝」という言葉の方が馴染みがあるかもしれませんが、同じものだと考えてください。

人間の身体は、生きている間は常に心臓をはじめとした内臓を動かしたり機能させたり、あるいは脳を働かせたりしないといけないので、そのために一定量のカロリーを消費しています。この、生命を維持するために最低限必要なエネルギー(カロリー消費量)を「基礎エネルギー消費量」と呼びます。

この基礎エネルギー消費量は、計算式から求めることができます。

下記で解説する各数値などを簡単に計算できる「カロリー&マクロ栄養素計算機」もこのセクションの最後に掲載していますので使ってみてください。

基礎エネルギー消費量の算出

基礎エネルギー消費量の計算には、ハリス-ベネディクトの式(Harris-Benedict equation)を使用します。この計算式は1918年~1919年に公開されたかなり古い計算式ですが、その後何度か改訂されています。具体的には下記のような計算式になります。

  • 男性: BEE = 66.4730 + 13.7516W + 5.0033H - 6.7550A
  • 女性: BEE = 655.0955 + 9.5634W + 1.8496H - 4.6756A

W / H / A にはそれぞれ下記を当てはめて計算します。

  • W → 体重(kg)
  • H → 身長(cm)
  • A → 年齢

ですので、例えば身長が175cm、体重が70kg、年齢が40歳の人のBEEは下記のように計算することができます。

BEE = 66.4730 + 13.7516 × 70 + 5.0033 × 175 - 6.7550 × 40 = 1634.4625kcal

つまり、約1,634kcalが、この人の基礎エネルギー消費量ということになりますね。

推定エネルギー必要量の算出

上で求めた基礎エネルギー消費量は、生命を維持するために最低限必要なカロリーであって、実際には仕事をしたり、家事をしたり、運動をしたりと人間は身体を動かしています。ですので、基礎エネルギー消費量に相当するカロリーだけではエネルギー不足になってしまいます。

そこで、次のステップとして、「基礎エネルギー消費量」に「活動係数(AF / Active Factor)」と「ストレス係数(SF / Stress Factor) 」を乗じる(かけ算)ことで、その人が1日に必要とするエネルギー量である「推定エネルギー必要量」を算出します。こちらが実際にその人が1日に消費しているであろうカロリー量ということになります。

で、ストレス係数については今回は触れません(闘病中などでない、健康な人なら数値が「1」なので)。活動係数のみで計算をします。

なお、ここで使う活動係数は、完全に自己申告です。最も普段の自分の生活パターンに近いものを選択しましょう。

1. ベッド上で安静1.2
2. 日常生活(特に運動などせず)1.375
3. 軽めの運動あり(週に1~2回程度)1.55
4. 積極的な運動あり(週に3~5回程度)1.725
5. かなり激しい運動や重労働従事者1.9

基本的に「1. ベッド上で安静」が当てはまる方はいないと思いますので、通常は「2. 日常生活」以上になると思います。

私の場合は、週1回のパーソナルトレーニング(高強度の筋力トレーニング)に自宅での週1~2回程度のダンベルと自重による中強度程度の筋トレ、あわせて20分から30分程度の有酸素運動を同程度の頻度で行うことを日課にしているので、「3」か「4」で悩むところですが、普段の仕事ではあまり、というかほとんど身体を動かすことがないため、現在は「3. 軽めの運動あり」で計算しています。

先ほど、基礎エネルギー消費量でサンプルとして身長が175cm、体重が70kg、年齢が40歳の方のBEEを計算(約1634kcal)しましたが、この人の活動係数が、「3. 軽めの運動あり = 1.55」であれば、

推定エネルギー必要量 = 1634kcal × 1.55 = 約2,533kcal

という計算になり、この人は、1日に食事などから合計「2,533kcal」のカロリーを摂取すれば、理論上は痩せもせず、太りもせず、一定の体重と体脂肪率をキープできるということになります。

1日あたりの摂取カロリー目標を決める

ここまででサンプルとして算出した数値を整理してみましょう。

  • 基礎エネルギー消費量 = 1,634kcal
  • 推定エネルギー必要量 = 2,533kcal

つまりこの人の場合は、生命の維持のために1日に最低1,634kcal、通常の生活を行うために1日2,533kcalが必要ということがわかったわけです。生活リズムを変えないのであれば、1日に2,533kcal以上摂取すれば太りますし、それより少なければ痩せていくということですね。

先ほど、「カロリー収支をマイナスにすれば必ず痩せる」セクションで書きましたが、もしこの人が3ヶ月(90日)で10kg痩せたい場合、1日あたり800kcal分、カロリー収支をマイナスにすればよいわけですから、1日の摂取カロリーを1,733kcal(2,533kcal - 800kcal)以内に抑える必要があります。

この時注意していただきたいのは、「絶対にやってはいけないこと」セクションで書いた通り、基礎エネルギー消費量の数値だけは下回らないようにする点です。

もし計算上、基礎エネルギー消費量を下回ってしまうなら、それはカロリー制限の量が大きすぎる、つまり短期間で無理な体重減を目標にしていると考えられますので、目標とする期間を伸ばすなど調整しましょう。上の計算は90日間で計算していますが、同じ体重を4ヶ月(120日間)で減らしたいなら1日あたり必要なマイナス分は600kcalになるので、1日1,933kcal(2,533kcal - 600kcal)まで摂取することが可能になり、少し楽になりますね。

繰り返しになりますが、大切なのは無理をしないこと、食事制限による過度なストレスを抱えないことです。そうしないとキツすぎて途中で嫌になってしまいます。「ダイエットは辛いもの」と捉えてしまうと長続きしませんから、あまり気合いを入れすぎずにやるというのも重要なポイントです。

1日に必要なマクロ栄養素の計算

「基礎エネルギー消費量」「推定エネルギー必要量」「1日あたりの摂取カロリー目標」までわかったところで、次にこの「1日あたりの摂取カロリー」内で、どのような栄養素をどの程度摂取すればよいのかを計算していきます。

マクロ栄養素とは

マクロ栄養素(Macronutrient)とは、日本語では主要栄養素と呼ばれる、細胞を構築するための物質やエネルギー産生に重要な役割を果たす必須栄養素のことです。

「三大栄養素」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、これのことだと思ってもらえれば間違いないです。つまり、「タンパク質(Protein)」「脂質(Fat)」「炭水化物(Carbohydrate)」のことですね。そして、この3つの栄養素の摂取バランスをそれぞれの頭文字をとって「PFCバランス」と呼びます。

PFCバランスはとても重要で、食事制限を考えるときには、トータルカロリーを単純に計算するだけではなく、このPFCバランスを常に頭に入れて考える必要があります。

各栄養素の基本的な摂取目安

各栄養素の摂取基準については、厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」という資料(下記リンク参照)にまとめています。

この資料では、30代~40代の男性で、1日あたりの摂取カロリーに対して、

  • タンパク質 → 13~20%
  • 脂質 → 20~30%
  • 炭水化物 → 50~65%

という割合を目安に摂取することが推奨されています。炭水化物が多めですね。

各栄養素別のカロリーは下記の通りですので、

  • タンパク質 → 1g = 4kcal
  • 脂質 → 1g = 9kcal
  • 炭水化物 → 1g = 4kcal

もし、1日の目標摂取カロリーが2,000kcalの人が、厚生労働省の基準で計算すると、

  • タンパク質 → 260kcal~400kcal = 65g~100g
  • 脂質 → 400kcal~600kcal = 44g~67g
  • 炭水化物 → 1,000kcal~1,300kcal = 250g~325g

くらいの摂取量ということになります。

ちなみに、ダイエットや筋トレを考えないでPFCバランスを考えるならこれでよいのかもしれませんが、筋トレを併用したダイエットの場合は、もう少し高タンパク質、低脂質を意識することが必要です。

一般的に筋肥大と、体脂肪の管理を目的とした場合に必要なマクロ栄養素の量は下記のような数値になります。

  • タンパク質 → 体重(kg) × 2g~2.5g
  • 脂質 → 体重(kg) × 0.8g~1g
  • 炭水化物 → 上記を計算したあとの残りから算出するので一旦保留

先ほどの、各栄養素別のカロリーを基に、体重が70kg、1日の摂取カロリー目安が2,000kcalの人の場合で計算してみましょう。

  • タンパク質 → 体重(kg) × 2g~2.5g = 70 × 2~2.5 = 140g~175g = 560kcal~700kcal
  • 脂質 → 体重(kg) × 0.8g~1g = 70 × 0.8~1 = 56g~70g = 504kcal~630kcal

となりますね。どちらも最大値を摂取すると、

  • タンパク質 → 700kcal
  • 脂質 → 630kcal

となりますから、1日の摂取カロリー目安が2,000kcalの場合、残りは670kcal(2,000kcal - 700kcal - 630kcal)になりますので、摂取できる炭水化物の量は1日当たり、167g(670 ÷ 4)ということになります。

まとめると下記のような計算になりました。

  • タンパク質 → 175g
  • 脂質 → 70g
  • 炭水化物 → 167g

この数値を目安に、食べるものを決めていきます。例えばタンパク質が多く含まれるお肉ですが、牛のもも肉(赤身)で100gあたり、21.3gのタンパク質、鶏むね肉(皮なし)で、100gあたり24.4gのタンパク質が含まれています。

お肉にはタンパク質だけでなく、脂質も含まれていますから(例えば前述した皮なしの鶏むね肉なら1.9gなど)、その辺も考えつつ摂取時には計算しないといけません。

とはいってもあまり厳密に計算しすぎるとまた面倒くさいことになりますので、上記を頭に入れつつ、食事をとるときに成分表に少し目を向ける癖をつけるだけで変わると思います。

食事だけで必要なタンパク質を摂取できるか

で、ちょっと考えていただきたいのですが、1日に必要なタンパク質の量が175gだとして、これをお肉などを食べるだけで摂取できるのでしょうか? もし鶏むね肉(皮なし)のみで、この量のタンパク質を摂取しようと思うと、100gあたり24.4gのタンパク質含有量ですから、約717gの鶏むね肉を食べないといけないことになります。

もちろん、他の食品からもタンパク質は摂取できますが、相当頑張らないと必要なタンパク質の摂取量には足りないことが想像できると思います。そこで、「プロテイン」のようなサプリメントを併用する必要性が出てくるわけですね。プロテインについては「筋トレ時に重要な栄養素とお勧めサプリ」セクションで詳しく解説します。

一方で脂質や炭水化物は比較的簡単にとれると思います。例えば白米100gには、77.6gの炭水化物が含まれています。つまり、ごはん215gを食べれば、1日の炭水化物摂取量としては足りるということで、お茶碗2杯弱ですかね? お昼にどんぶり物なんか食べたら食べ過ぎってくらいの量ですね。

なので、一般的な日本人の食生活からすれば、炭水化物はかなり控えめに、脂質はほどほどに、そしてタンパク質に関してはかなり意識して多めにとるという感じの食事になると思います。

カロリー&マクロ栄養素計算機

上記セクションで解説した、「基礎エネルギー消費量」「推定エネルギー必要量」に加え、30日間で減量したい体重を選択することで1日あたりの摂取カロリー目安とマクロ栄養素(PFCバランス)を簡単に計算できる計算機を下記に掲載しておきます。

なお、PFCバランスのうち、タンパク質に関しては、男性の場合「体重 × 2.5」、女性の場合は「体重 × 2」で計算しています。脂質は男女ともに「体重 × 1g」で計算。小数点以下は四捨五入してます。

「基礎エネルギー消費量」を「1日の摂取カロリー目安」が下回るような値が指定された場合は、エラー(「1日の摂取栄養素目安」が正しく計算されません)になります。

cm

kg

kg

男性
基礎エネルギー消費量 kcal
推定エネルギー必要量 kcal
1日の摂取カロリー目安 kcal
1日の摂取栄養素目安
  • タンパク質:g
  • 脂質:g
  • 炭水化物:g
女性
基礎エネルギー消費量 kcal
推定エネルギー必要量 kcal
1日の摂取カロリー目安 kcal
1日の摂取栄養素目安
  • タンパク質:g
  • 脂質:g
  • 炭水化物:g

重要
ここで算出した1日の摂取栄養素目安は、目安ですので、実際には体重や体脂肪率の変化、身体の(見た目)変化などによって調整する必要があります。マクロ栄養素は身体にとって必須の栄養素ですので、何かだけを大量にとったり、逆に何かだけを極端に制限したりすることは避けてください。

最近は低糖質ダイエットが流行っていますが、極端な糖質制限は専門家の指導なくやると危険な場合もありますので注意してください。

ダイエットに筋トレが必要なわけ

ダイエットするだけなら摂取カロリーを制限(食事制限)だけでもよいのですが、長い目で見たときに太りにくく、痩せやすい身体を手に入れるためには筋トレを並行して行うことがとても重要になります。また、筋トレが有酸素運動による体脂肪燃焼効果を高めるということもわかっていますので、ダイエットに筋トレは必須と言えます。

除脂肪体重を維持するため

何度か繰り返していますが、単に数値的な目標として体重や体脂肪率を一定のところまで下げるだけであれば筋トレをせず、食事制限だけしていてもよいと思います。

私が目指しているのは見た目的に健康的で筋肉質な身体を手に入れることですので、除脂肪体重をなるべく落とさないように、体脂肪だけを減少させる必要があります。そうしないと単なる痩せ型体型になってしまいますので。

そのためには食事制限によるカロリー収支がマイナスの状態でも筋肉量が減らないようにする必要があり、筋トレを併用することがマストな選択肢になります。

あとは、筋トレするとストレス解消になるということもありますし、単に食事制限しているだけだとつまらないので、筋トレすることで達成感みたいなものを味わいつつ、身体の変化も楽しめるというメリットもあります。

筋肉の基礎代謝量

安静時の筋肉1kgあたりの基礎代謝は「13kcal/日」と言われています。なんだ1日にたったの「13kcal」かよ、なら筋トレ頑張って、筋肉を「5kg」増やしたとしても「65kcal」じゃねーか、と思いますよね。実際にこの考えをもとに、筋トレなんかしても意味ないから有酸素運動だけをした方がいいよと言う人はいます。

しかし、

  • 「安静時の基礎代謝」というのはベッドの上で安静にしている時の基礎代謝で、通常、人は様々な活動をしながら1日を過ごしているため、実際の筋肉1kgあたり基礎代謝はもう少し高い
  • 筋肉が多い人は肝臓や腎臓、心臓といった代謝が非常に活発な組織も大きい傾向がある

という2点を考慮すると、筋トレによって筋肉量が1kg増加することで増える基礎代謝は「50kcal/日」程度になるのではないかと言われています※。

筋トレで増やせる筋肉量は、「体脂肪率が目標に到達したときの体重を把握」セクションで書いた通りですが、筋トレ初心者など、十分な筋肉量がない人の場合の最大値目安が「1年間で体重の12~19%程度」ですから、体重70kgの人で「8.4kg~13.3kg」となります。ただし、同セクションでも書いた通り、カロリー収支をマイナスにしながらの筋トレ併用ですとそこまでは増えないでしょう。

仮に半年~1年くらいマジメに筋トレをやって、筋肉量が「2kg」増えたとします。すると基礎代謝では「100kcal/日」程度増えることになりますね。これでも「1日にたった100kcalだろ」と考えることもできますが、1ヶ月(30日として)なら「3,000kcal」分、基礎代謝が増えることになります。

ここで、「カロリー収支をマイナスにすれば必ず痩せる」セクションで書いた体脂肪1kgあたりのカロリーを思い出してみてください。そう「7,200kcal」です。

これをカロリー収支でマイナスにするために食事制限などをするわけですが、もし筋肉量を「2kg」増やすことができれば、その内の「3,000kcal/月」を基礎代謝だけで消費することができるわけです。月に「0.5kg」体脂肪を落とすのが目的の人なら、これだけでほぼ達成してしまいますし、これが1年間なら「36,000kcal」ですから、1年間に体脂肪「5kg」分を減らすだけのカロリーを、筋肉が消費してくれることになります。

これが、筋トレをして、筋肉量を増やすことが、長期的に見て「太りにくく、痩せやすい身体」を作ることにつながるという話の根拠になります。

ちなみに、ボディビルダーさんの中には、減量期でも1日に「3,000kcal~4,000kcal」などといった、一般の人から見たら取り過ぎっていうくらいのカロリーを摂取しつつ、体脂肪率をガンガン落として身体を絞っていく人が多くいるそうです。例えば一般的な男性の1日の消費カロリーを「2,500kcal」だと仮定しても、「500kcal~1,500kcal」オーバーです。

さすがにボディビルダーさんとはいえ、1日に1,000kcalも1,500kcalも消費するようなトレーニングは行いませんから、それだけ筋肉量があると、基礎代謝や日常生活によって消費するカロリーが多いため、それだけの摂取カロリーでもカロリー収支がマイナスの状態を作り出せると考えるのが自然だと思います。

まぁボディビルダーさんの筋肉量と一般人を比べても仕方ないですが、筋肉量を増やすことが思っているよりもバカにできないカロリー消費につながるんですよということがおわかりいただけるのではないでしょうか。

筋肉が1kg増した時、基礎代謝量は何kcal増すのか? - 国立健康・栄養研究所

筋トレとタンパク質摂取が重要

我々の筋肉は、アクチン、ミオシン、トロポニンなどといった様々なタンパク群で構成されており、これらを総称して「筋タンパク質」と呼んでいます。

筋タンパク質は我々の身体の中で、常に合成と分解を繰り返していますが、筋肉量を維持するためには、筋タンパク質の「合成(増やす方)」と「分解(減らす方)」のバランスを保たなければなりません。

何度か書いているとおり、食事制限のみでダイエットを行うと、身体に必要なエネルギーが足りない状態を補うため、筋タンパク質は合成よりも、分解の方にバランスが偏ってしまい、結果として筋肉量が落ちてしまう(除脂肪体重も落ちてしまう)ことになります。

これは、1日のトータルカロリー収支がマイナスになっていない、特に食事制限をしていない人の場合でも、食事の間隔が空いて、空腹の時間が長く続いたりすると同じ状況が起こります。3食、規則正しくバランスよく食べましょうねと言われるのは、このためもあります。

食事制限と筋トレ「だけ」では筋肉は減ってしまう

食事制限によってカロリー摂取をマイナスにすることで、そのままだとタンパク質の摂取量も減ってしまうわけですが、この状態でも、筋トレだけをしっかり行っていれば筋肉量を維持できるかといえば、答えは「維持できません」となります。

筋トレ後に、十分な量のタンパク質を摂取することで、はじめて筋肉量は維持されます。ですから、タンパク質が足りていない状態でハードな筋トレをいくらやっても、筋肉を増やしたり、維持するどころか、かえって逆効果になるわけです。

2015年に行われた研究※1 では、食事制限によるダイエットを行う場合でも、1日に2回程度のタンパク質摂取を続けることで筋肉量を維持可能なことや、その際のタンパク質として、ホエイ蛋白(要するにホエイプロテイン)が適していることなどがわかっています。

また、2017年に発表された最新の研究※2 では、筋トレを行いながら「タンパク質を摂取するグループ」と「炭水化物を摂取するグループ」に分けてそれぞれを比較したところ、タンパク質を摂取したグループは、体重の減少と、筋肉量の維持という結果が摂取しなかったグループに比べて有意に現れたという報告がされています。

このことからも、食事制限と筋トレを組み合わせたダイエットを行う場合、同時にタンパク質の適切な摂取が必須となることを覚えておかなければなりません。

※1 Whey protein supplementation preserves postprandial myofibrillar protein synthesis during short-term energy restriction in overweight and obese adults. J Nutr. 2015 Feb;145(2):246-52.
※2 Effect of Whey Protein in Conjunction With a Caloric-Restricted Diet and Resistance Training. J Strength Cond Res. 2017 May;31(5):1353-1361.

筋トレが体脂肪の減少を促進

体脂肪は脂肪細胞の中に中性脂肪という形で蓄えられていますが、この中性脂肪は、そのままの形ではエネルギーとして利用することはできず、一度、遊離脂肪酸とグリセロールという物質に分解されて血液中に放出されることで始めて利用可能になります。

この中性脂肪の分解→血液中への放出には、「アドレナリン」「ノルアドレナリン」「成長ホルモン」などのホルモン、さらに「ホルモン感受性リパーゼ」と呼ばれる酵素が重要な働きをすることがわかっています。そして、筋トレによる筋肉への激しい刺激が、成長ホルモンの分泌を促進させると共に、この成長ホルモンがホルモン感受性リパーゼを活性化することで中性脂肪の分解を促す作用があることも近年の研究で明らかになっています。

直接的に筋トレが体脂肪を減らすわけではないのですが、筋トレをすることで体脂肪(中性脂肪)が分解され、エネルギーとして使われやすい状態を作ることができるというわけです。

ただし、血液中に放出された中性脂肪は、エネルギーとして消費されなければまた元通り体脂肪として蓄えられるだけですので、これをエネルギーとして利用してあげないと体脂肪が減る(所謂、脂肪燃焼という状態)というところまでは到達しません。

筋トレ後の有酸素運動が効果的

基本的に体脂肪を効率的に消費するのは有酸素運動だということはわかっています(というよりも脂肪は有酸素運動でなければ燃焼しません)。また、上記したように筋トレを行うことで、中性脂肪が分解され、身体でエネルギーとして使われやすい状態を作ることも説明しました。

つまり、強度の高い筋トレを行ったあとで、適切な有酸素運動を行えば、より効率的に体脂肪を減少させることができるということになり、そのような研究結果もいくつか発表されています。

有名なところでいえば、東京大学大学院の石井教授ら研究チームが行った研究※ などが挙げられますが、まだ色々と研究が進んでいる段階ではあるものの、体脂肪減少を狙って筋トレ後に有酸素運動を行うことの有効性についてはきちんとした根拠があると考えて差し支えないと思われます。

Enhancement of fat metabolism by repeated bouts of moderate endurance exercise. J Appl Physiol (1985). 2007 Jun;102(6):2158-64.

有酸素運動の適切な強度

では有酸素運動するとして、どの程度の強度で運動すればよいのでしょうか。一般的に高強度よりも低強度での有酸素運動の方が、運動中の脂肪燃焼率が高いとされています。しかし、減量を目的とした場合には、強度に関係なく、「総エネルギー消費量」がどの程度だったかの方が重要という考え方が現在では主流です(強度が高い有酸素運動は心肺系の強化などには役立ちますからそちらが目的なら強度が重要になったりします)。

例えば高強度の有酸素運動は時間当たりの消費エネルギーは高いとしても長い時間続けられません。一方であまりに強度が低すぎれば長い時間運動しないといけなくなり、特に会社勤めなどをしていて忙しい人の場合はそこまで時間が取れないといった問題も出てきます。

また、よく脂肪が燃焼するには20分以上連続して運動しないと意味ないなんて話を聞いたこともあるかもしれませんが、近年の研究では、1日に30分の運動を1回でも、10分の運動を3回でも、トータルの運動時間が同じなら減量効果に差はないということがわかっています。

ということで、多くのトレーナーさんなどは、強度的に「最大心拍数の60%~80%」程度の運動を20分~60分くらいというのをお勧めしているようです。私も有酸素運動を行う場合はこのくらいを目安にやっています。

最大心拍数というのは本来きちんとした測定をする方法があるのですが、簡易に割り出す場合は下記の計算式で算出できます。

最大心拍数 = 220 - 年齢

つまり、40歳の人の最大心拍数は、180ということになりますから、これの60%~80%なので、108~144程度の心拍数で有酸素運動を行う感じですね。このくらいの心拍数に合わせると、そんなにキツイ感じの運動にはならないと思います。

心拍数がわかるスマートウォッチなどを身に付けて行うならそれを確認すればよいですし、目安としては、「運動しながら余裕を持って人と会話ができるくらい」と考えるとわかりやすいと思います。つまり息が上がって会話するのが辛いならそれは強度が高すぎるかもしれません。

トレーニングジムを利用しているなら、筋トレ後にゆっくりめにエアロバイクを漕いだり、トレッドミル(ランニングマシン)の上で軽く流す(走るというより歩くくらい)程度の速度で有酸素運動をすると効果的だと思います。

EPOC(運動後過剰酸素消費量)によるカロリー消費効率向上

「EPOC(Excess Postexercise Oxygen Consumption / 運動後過剰酸素消費量)」というのは、運動をする前の状態(安静時)よりも運動した直後にカロリー消費の効率が高くなる状態を指します。

運動すると息が上がると思いますが、これは身体がなるべく早く安静時の状態まで戻ろうとして、通常よりも多くの酸素を摂取しようとするためです。この状態を「EPOC」と呼びますが、身体がこの状態になっている間は、カロリー消費効率が向上(つまり、脂肪燃焼量が高い)した状態になることがわかっていて、一般的にこの状態は運動後、約1時間半~2時間ほど続くといわれています。

で、このEPOCを最も効率的に創り出すのは筋トレであるという研究データ※ があり、前のセクションで書いた「筋トレ後の有酸素運動が効果的」と言われるひとつの根拠にもなっています。

この研究によると、EPOCの値がよかった順に下記のようなデータが出ていて、筋トレが最も効果が高いことが示されています。

  1. 筋トレのみ
  2. 有酸素運動後に筋トレ
  3. 筋トレ後に有酸素運動
  4. 有酸素運動のみ

ちなみに、この研究データでは両方(筋トレと有酸素運動)を組み合わせた場合について、「有酸素運動後に筋トレ」という順番で行う方が、その逆よりもEPOCの値だけだと高くなるという結果になっていて、推奨するのは「有酸素運動→筋トレ」という結論になっています。

ただ、筋トレが「7レップ」、有酸素運動が「トレッドミル上でのランニング 25分」での比較になっていて、有酸素運動の負荷に比べて、筋トレの方はかなり軽めの負荷にしかなっていないんですよね。

通常、ランニングのような有酸素運動を25分も続けた後だと疲れてしまって「高強度」の筋トレはできない(できても本来のパワーを出し切れない)ですから、高強度の筋トレをしっかりやるという前提なら、「筋トレ→有酸素運動」という順番にし、激しい筋トレでEPOC高め、その状態を続く軽めの有酸素運動で活かすという考え方の方が現実的かなというのが個人的な考え方です。

Aerobic and resistance exercise sequence affects excess postexercise oxygen consumption. J Strength Cond Res. 2005 May;19(2):332-7.

筋トレをはじめる前に

実際に筋トレをはじめる前に、覚えておきたいことや重要なポイントをまとめておきます。

初心者のうちは難しいことを考ずシンプルに

筋トレ関連の情報を調べていると、筋トレ上級者が書いた解説記事や動画などに遭遇します。

初心者向けに正しいフォームなどの解説をわかりやすくしてくれている筋肉系ユーチューバーさんなどもいますので、そういう動画などはとても参考になります(下記でも私のお勧めを紹介しています)が、上級者向けに発信されている情報に関しては、初心者のうちはあまり気にしない方がよいです。

例えばパーツ別のトレーニング方法や、高重量を狙う場合のテクニック的な話、バルクアップ期や減量期を設定したトレーニング方法や食事方法、その他にも様々なトレーニング方法(5,3,1プログラム、5×5プログラム......)などについては、完全に上級者、最低でも中級者以上を対象にした情報で、筋トレを始めたばかりの素人が真似してもあまり意味がないものばかりです。

また、筋トレ上級者になると、週5回とかトレーニングしてたりしますから我々のような素人とはトレーニングメニューの組み方が異なりますし、すでに十分な筋肉量があり、体脂肪も10%台の筋トレ上級者の人が、そこからさらに筋肥大を狙ったり、ボディビルやフィジーク大会に向けて身体を絞ったりするみたいなレベルでやるトレーニングや食事方法は、ダイエットがまずは主目的となる筋トレ初心者にはほぼ関係ないです。

確かにベンチプレス120kg!とか、スクワット160kg!みたいな動画は観る分には楽しいですし「おーすげぇ」って素直に感心したり、自分も将来的にはこういう風になりたいなという目標として、モチベーションアップにつなげたりという意味では有意義ですが、そのくらいで止めておいて、まず最初の半年~1年間くらいは、地道にビッグ3(詳しくは「初心者がまずやるべき筋トレ」セクションで解説)の重量をある程度のところまで持って行くことに集中しましょう。

ダイエットを目的のひとつに設定している我々は、まず余計な体脂肪を落とすためにカロリー収支がマイナスの状態を作ること、そしてその状態でも筋肉が落ちてしまわないように筋トレをするという段階ですからね。筋トレ上級者のような身体を手に入れるには最低でも2年、3年と時間がかかるものですし、その間、たゆまぬ努力が必要です。焦らずにまずは筋トレ初心者脱出を目指しましょう。

初期投資の重要性

初期投資というのは、いきなり自宅にホームジムを作りましょうとか、ダンベルセットをそろえましょうとか、そういうことではありません。

ここでいう初期投資というのは、最初にきちんとした知識と経験を持った人に、ビッグ3をはじめとした基本的な筋トレメニューの正しいフォームや重量設定、目標回数を含めたセットの組み方、インターバルの適切な取り方や食事方法について教えてもらう事にお金を使った方がよいですよということです。

私の場合は、自宅から徒歩20分くらいのところで開業していたパーソナルトレーナーさんを探して、その方に1からきちんと教えてもらいつつ、徐々に自宅をはじめ、自分でできるトレーニングを組み込んでいきながら現在に至っていますが、やはり最初にしっかり教えてもらったことで無駄な時間を使わずにすみました。

費用対効果を考慮した筋トレへの取り組み方

30代、40代はお仕事はもちろん、家庭を持ったり、人によってはお子さんもいたりと忙しい世代だと思います。そんなに時間が取れない状況で、いかに効率よく結果を出すかというのは重要なポイントではないかと思います。そのために最初は多少お金を使ってでも正しい知識とフォームなどを仕込んでもらうことは、費用対効果の面からはとても有意義だと思います。

個人的にはパーソナルトレーナーさんを、最初の3ヶ月~半年くらいでもいいので付けることをお勧めします。やはり1対1で教えてもらえるというのは大きい。多くのパーソナルトレーナーさんは、初回体験のような形で低価格でトレーニング体験をさせてもらえることが多いですので、気になったところにはお願いしてみて、トレーナーさんとの相性などを確認してから契約すればよいと思います。

初心者のうちはどのくらいの重量からトレーニングを始めたらよいのか、自分が本当に正しいフォームでトレーニングできているのか、全くわかりません。プロの方に見ていただくことで、早い段階でどのくらいの重量が今の自分の限界なのか、どういうフォームでトレーニングを行えば最も効果が高いのかなどを勉強させてもらえますので、そのチャンスを活かさない手はないです。

もしパーソナルトレーナーさんをお願いするところまでお金をかけたくないのであればスポーツジムに入会し、そこにいるジム専属トレーナーさんなどに声をかけて指導してもらうとよいでしょう。ジムによっては初心者向けにトレーナーさんが指導してくれるメニューを用意しているところもあるので事前に調べてみるとよいでしょう。

ただ、一般的なスポーツジムの場合は、置いてある器具をその時ジムにいる利用者が交代で使う感じになりますから、自分の好きなペースで、好きな種目を他人に気兼ねせずやるということはまずできません。24時間営業のジムで深夜、早朝みたいな余程人が少ない時間帯ならまだしも、普通は順番待ちしてみたいな感じになります。私はそういうのが時間の無駄だと感じましたし、ストレスなので、最初から1対1のパーソナルトレーナーさんをお願いしたというのもあります。

私個人的には、今お願いしているパーソナルトレーナーさんに、最低1年間は見てもらうことに決めています(現時点であと半年弱ですが)。1年後の自分の成長や、その時のモチベーションでジムを変えて完全に自分なりのメニューで筋トレを続けるのか、それとも引き続き付いてもらってやるのかを決めようかなと思っています。

パーソナルトレーナー戦国時代

現在、健康ブーム的なものもあってか、独立してジムを開業するパーソナルトレーナーさんの数はものすごく多いです。そして同時にものすごい勢いで入れ替わっている(要するにお客さんが定着しなくて廃業するところも多い)状況のようです。パーソナルジムなら初期投資がそれ程かからず、トレーナー自体に国家資格などもいらないため、開業しやすいというのが理由だと思います。

近所でパーソナルトレーナーを検索すれば、ある程度の規模の都市なら探すのに苦労しない程度には候補が見つかるのではないでしょうか。特に個人がマンションの1室でやっているようなパーソナルジムは費用も安いですし魅力的です。ただし、都度払いならよいですが、ある程度まとまった金額を先に払う場合は、万が一の際に返金がされるのかなどについてはきちんと確認してからお願いするのがよいと思います。

まぁ「潰れたときお金は戻ってくるんですか?」なんてどストレートに聞くのは気が引けるとは思いますが、大切なことなので、何かあってから後悔しないように、必要なことは遠慮せずに確認しておきましょう。

トレーニングギア

筋トレはトレーニングジムに行くなら基本的には身体ひとつで行けばできますし、ウェアにしてもシューズにしても元々持っているもので事足りてしまう場合が多いと思いますが、トレーニングシューズだけは最初にきちんとしたの買っといた方がいいと思います。

私が個人的にお勧めなのは下記のシューズ(ナイキ メトコン3)ですが、単に私が使ってていい感じなのでという理由。なんですが噂によるともうこの型番は生産が終わってるっぽいですね......

参考までに同じ、ナイキ「メトコン」シリーズの現行ラインナップは下記のナイキ公式サイトで確認、購入ができます。

シューズは別にどのメーカーのでもよいと思いますが、あまりソール(靴底)がぶ厚すぎたり、柔らかすぎるものはスクワットやデッドリフトなど、重量がかかる種目で不安定になったり、あとかかと側が極端に高くなってたりすると特にミッドフット(足の真ん中)で重心を取ることが重要なスクワットなどの種目では使いにくかったりしますので、もし新規で購入するなら「ジムトレーニング用」みたいに売られているものから選択すると間違いがないと思います。

それ以外の服装は動きやすい格好ならいいと思います。よくわからないという人は、ランニングするときの服装をイメージすれば多分合ってる。

中級者、上級者の場合は代表的なトレーニングギアとして「リストラップ」や「パワーベルト」などを使用する場合が多いと思いますが、それ程重たい重量を扱えない初心者には不要。まずはシューズだけきちんとしたものを買っておきましょう。

筋トレ基礎知識

筋トレをする上で最低限知っておくとよい知識や用語の解説をします。

初心者でも知っておきたい筋トレ用語集

まず、筋トレ系の話題でよく出てくる用語のうち、初心者でも知っておくとよいものについて、いくつかピックアップして簡単に解説します。各用語はとても簡単にしか説明していないので興味があれば詳しくは自分で調べてみてください。

なお、用語の掲載順は適当です。

レジスタンストレーニング

筋肉に負荷を与えることで、筋肥大(断面積の向上)を伴う筋力(筋力が発生する出力)や筋持久力など骨格筋機能の向上を目的として行うトレーニングのことで、要するに「筋トレ」のことです。

ビッグ3

「ビッグ3(Big 3)」というのは、筋トレ種目のうち、「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」の主要3種目を指します。詳しくは「初心者がまずやるべき筋トレ」セクションで解説しています。

アイソレーション種目

アイソレーション種目とは筋トレ種目の中でも、単関節運動で行うトレーニング種目のことです。その動作に動員されるのが、1つの関節と筋肉だけの場合、その種目はアイソレーション種目に分類されます。

例えばダンベルカールやサイドレイズなどといった、腕を曲げる動作、肩を上げる動作は、肘や肩という1つの関節しか動かしていませんし、その関節を動かすために動員される筋肉も基本的には1つです。

コンパウンド種目

アイソレーション種目とは逆に、複数の関節や筋肉を動員して行われる種目がコンパウンド種目です。

例えば、ベンチプレス、スクワット、デッドリフト、チンニング(懸垂)などが代表的な種目ですが、ベンチプレスは肩と肘という複数の関節を同時に動かしますし、大胸筋を中心に、肩周り、腕回りの筋肉も動員してウェイトを支えますので、複数の筋肉が使われることになります。

コンパウンド種目は身体の中でも大きな筋肉をターゲットにすることと、アイソレーション種目に比べて、より重い重量で行うことができますので、まずはこのコンパウンド種目をしっかり行うことが全身の筋力アップには重要です。ビッグ3はすべてこのコンパウンド種目に分類されます。

なお、筋トレのメニューを組むときは、コンパウンド種目→アイソレーション種目という順番になるように組む必要があります。というのは先にアイソレーション種目で細かい筋肉を疲労させてしまうと、コンパウンド種目で補助的に働くそれらの筋肉が力を発揮できず、十分な強度でトレーニングが行えなくなります。

一方で、小さい筋肉の方が回復が早いことや、そもそもアイソレーション種目は扱う重量も軽いため、先にコンパウンド種目で小さい筋肉が多少疲労しても、その後のアイソレーション種目では問題なくトレーニングを継続することができるためです。

セット(セット数)

ある種目を行う際のひと区切りを指します。例えばベンチプレスを10回行ってひと区切り付けた場合、それがベンチプレスの「1セット」になります。同じ事を3回繰り返せば、ベンチプレスを「10回 3セット行った」と言うことになります。

メインセット

その日のトレーニングで、「各種目の主となるセット」を指します。メインセットに取り組む前の準備運動がウォーミングアップです。

ウォーミングアップ(ウォームアップ)

メインセットを行う前に、メインセットよりも軽い重量で行う準備運動のことです。各種目、これをしっかりやらないで、いきなりメインセットの重量を挙げようとしたりすると怪我の原因になりますので注意が必要です。

詳しくは「ウォーミングアップの重要性」セクションで解説しています。

インターバル

各セットの間に空ける「休憩時間」のことです。概ね、1分~5分の範囲で設定されることが多いですが、初心者のうちはあまり難しいことは考えず、2~3分程度で、前のセットから呼吸が整うくらいを目安と考えるとよいと思います。

詳しくは「インターバルの取り方」セクションで解説しています。

レップ(Rep / Repetition)

「レップ数」などともいいますが、ある種目で1回の動作を1レップとして、行った回数のことです。例えば、「ベンチプレスを60kgで10レップ」と言えば、要するに「60kgで10回」ということです。

また、低レップ、高レップみたいな言い方は、回数を少なくやる(低レップ)、回数を多くやる(高レップ)といった感じで、重量を重視したトレーニングか、回数を重視したトレーニングかみたいな話の時に出てきたりします。

RM(Repetition Maximum)

ある種目において、ある重さに対し、何回その動作を繰り返せるのかを示す時に使うのが「RM」です。例えば「1RM」といえば、その人が「1回だけ挙げられる最大重量」ということになります。例えばベンチプレスでこの重量が「100kg」なら、「私のベンチプレスの1RMは100kgです」みたいな感じで使います。

筋肥大を目的とした筋トレに効果的な重量は、6RM~15RM程度とされています。つまり、6回~15回で限界がくる重さですね。重量を決める際に「10回で限界がくる重量で」と言われるのは、これが根拠になっています。

多くの場合、10回で限界がくる重量で3セット組めば、1セット目は15回くらいは挙がるかもしれなけれど、2セット目では10回がギリギリ、3セット目では6、7回くらいしか挙がらない...... みたいな感じになると思いますが、きちんとこの範囲(6RM~15RM)に全セット入っていることになりますがら効果が出ますよということです。

RM換算表

実際に挙げた重量から、その人のRMを換算することができる表を「RM換算表」といいます。下記のページなどが有名です。

このRM換算表は、各種目で自分が扱う重量の目安を求めるのにも便利です。例えばベンチプレスで60kgを挙げてみたら1セット目で5回しか挙がらなかったとします。ちょっと今の自分には重すぎたみたいですね。そこでRM換算表を見てみます。

  • まず一番左の列から「60.0(kg)」を探し、一番上の行の「5(Rep)」と交わるセルを探します。すると「67.50(kg)」とありますね。これが60kgを5回挙げられる人の1RMに相当する重量になります。
  • 次に、一番上の行から「10(Rep)」を探し、下に下がっていきながら、先ほどの「67.50(kg)」に最も近い重量が書かれたセルを探します。「65.63(kg)」もしくは「68.75(kg)」ですが、「68.75(kg)」の方が近いのでこちらにしましょう。
  • そうしたら、そのまま一番左のセルに目線を移動するとそれが、今のあなたにとって10RMの重量目安になります。つまり、「55.0(kg)」まで重量を落とせば、計算上は10回挙げることができますよということですね。

RM換算表

このようにして、RM換算表から、「今の自分にとって8RMの重量ってどのくらい?」みたいなことを、ある程度簡単に予測することができます。

強度

筋トレをはじめとした、トレーニングや運動全般で「強度」と言った場合は、その運動、トレーニング時にかかる「負荷の強さ」のことです。「強度が高い」というのは、より高負荷なトレーニングを行っているということですね。

筋トレでいう「強度」は、単純に言ってしまえば扱う重量のことです。1RMの重量を扱う方が、10RMの重量で筋トレをするよりは高強度になります。ただ、筋トレでは強度も重要ですが、それと回数から計算される「総負荷量」の方が重要なので、とにかく重たい重量を1回だけ挙げればよいということではありません。

スーパーセット

異なる種目を(各種目間のインターバルをほとんど取らず)立て続けに2種目やる筋トレの方法を「スーパーセット」と呼びます。これが3種目なら「トライセット」、4種目以上になると「ジャイアントセット」となります。

上級者の方の会話に、「肩と腕を追い込むジャイアントセット」みたいな言い方が出てくることがよくありますが、「肩や腕をターゲットに色んな種目(4種目以上)をぶっ続けでやるんだな」と思えば間違いありません。

バルクアップ

バルクアップとは体重を増やしていきながら、筋肉量を増やし、体を大きくしていくことです。ただし、ダイエットを主目的として筋トレを併用している初心者にはあまり関係ないです。とはいえ、よく出てくる言葉なので意味くらいは知っておくとよいでしょう。

筋トレ上級者、その中でも特に美しい筋肉の見た目を作る方に志向が向いている人、例えばボディビルダーさんやフィジーク選手などがよく使う言葉です。しっかりカロリー収支をプラスにした上でハードにトレーニングを行い、とにかく筋肉をデカく、太くする時期を作ります。その後、減量期を作って脂肪だけを落とすことで、大会などに向けて身体を仕上げるみたいなことをやるんですね。

YouTubeなどで、筋トレ系の話題を見ていると「バルクアップ飯」とか「減量期メニュー」とかいう言葉がよく出てくると思いますが、これはバルクアップ期と減量期でトレーニングや食事メニューなどが異なるため、それぞれに適した方法を紹介するためです。

また、関連用語として、体脂肪をなるべく付けないようにバルクする「リーンバルク」、クリーンな食事のみを摂取してバルクする「クリーンバルク」、それと対極(ジャンクフードとか気にしない)となる「ダーティバルク」などという言葉がよく使われます。特に「リーンバルク」と「クリーンバルク」は混同されやすい用語です。

インクライン

ベンチを使ったトレーニング時に、ベンチの角度を頭側が上になるように角度を付けた状態をインクラインと言います(この角度を付けられるベンチを「インクラインベンチ」、角度が変わらないものを「フラットベンチ」と呼び分けたりします)。要するに車のシートなどでリクライニングした状態のことですね。

この状態で行うベンチプレスは「インクラインベンチプレス」という種目になります。フラットな状態で行うベンチプレスよりも、大胸筋の上部に効くため、フラットや、逆に頭側が下がる「デクライン」状態でのベンチプレスと組み合わせることで、形のよい大胸筋を作り上げるために使われたりします。

サムレスグリップ

バーベルを握る際、親指をバーに巻き付けずに持つ方法を「サムレスグリップ」(下記写真左側)と言います。逆に親指を使ってしっかり握り込むグリップを「サムアラウンドグリップ」(下記写真右側)と言います。基本はサムアラウンドグリップです。

サムレスグリップ(左)とサムアラウンドグリップ(右)の例

写真は「Starting Strength (English Edition) [Kindle] - Figure 5-10」から引用

特にフリーウェイトで行うベンチプレスでサムレスグリップだと、滑ったときにバーベルを落とす可能性があるのでしっかりとサムアラウンドグリップで握りましょう。

腹圧

筋トレでいう「腹圧」は、例えばスクワットやデッドリフトのように、背中をしっかり固定して動かなくすることが重要な種目で、お腹に空気を溜めて圧力をかけることを言います。

しっかりと腹圧がかからないと、重さに負けて背中が丸まってしまい、種目によっては腰を痛めたりする要因になります。特にスクワットやデッドリフトをある程度の高重量で行う際には必ず「腹圧かけて固めましょう」といった感じで言われる言葉です。

チーティング

悪い言い方をしてしまえば「ズル」なんですけども、反動をつけたりちょっとしたテクニックで普通にやったら挙がらない重量を挙げてしまう方法です。

上級者の場合はチーティングをうまく取り入れて強度を上げたりといった高度な話(つまり意識的に、目的を持ったテクニックとして行うチーティング)として語られるケースが多いですけども、初心者の場合でチーティングというと、正しいフォームでトレーニングを行うことができず、無理に挙げようとしてフォームが崩れているだけの、「無意識のチーティング」になってしまっている場合がほとんどですので、各種目でチートといわれる動き(例えばベンチプレスならお尻を上げたり、胸でバウンドさせて反動を使うような挙げ方)はなるべく使わないように意識した方がよいです。

初心者のうちはまずはきちんとしたフォームを習得することに注力し、あまり挙げた重さを競うようなことは考えないことが肝心ですよ。

膝コロ

アブローラー(腹筋ローラー)で腹筋を鍛えるときに、強度調節の手段として膝を床に付いた状態で行うことです。膝をついてコロコロするから膝コロ? まぁ多分そんな感じでしょう。一方で、膝をつかない状態でやることを「立ちコロ」とか言います。立ちコロで10回とか20回とかできる人は多分そんなにいないので、普通にすげぇーってなります。

漸進性過負荷の原則

筋トレを行う上で重要な原則として、「漸進性過負荷の原則(プログレッシブオーバーロード / Progressive overload)」があります。

スポーツにしても例えばギターを弾くみたいな楽器演奏でも、簡単な動作や曲ばかりを長いことやり続けているだけでは能力や技能の向上は頭打ちになります。もちろん、同じ動作や演奏でも細部を詰めていくことでより短時間で正確に動作したり、表現力を上げたりということはできると思いますが、簡単な動作や曲が習得できたら、次はより難しい動作や、曲にチャレンジしていくことで、その人の能力が向上していく点については恐らくほとんどの方が「まぁそうですよね」と納得できるのではないでしょうか。

筋トレ、といいますか、筋肉も同じで、その人にとって楽に上がってしまう重量でいくら長い期間筋トレを繰り返しても、脳は「別に今よりも筋肉を大きくしなくてもまぁ大丈夫だよね」と判断し、筋肉量は増えません。

また、神経系の発達に関しても、より困難なタスクを与えることで加速されますので、楽な筋トレは、「トレーニング(訓練)」というよりも単なる「運動」か「作業」くらいの意味しかもたず、正直なところ時間の無駄です。

常に過負荷の状態を作る

筋トレを行う上でまず重要なのは、「過負荷の原則」になります。つまり、「その人の限界をほんの少しだけ超える負荷(過負荷)をかける」こと。限界を意図的に超えることで、脳に「今のままだとやべぇ、筋肉を強くしないと危険だ」と認識させ、筋肉の発達に必要なホルモンなどの分泌を促すわけですね。

例えば、腕立て伏せが楽に10回できる人が、同じ負荷のまま腕立て10回を毎日やったところで過負荷にはなりません。10回がキツイという状況にするため、例えば足を高い位置に上げたり、背中に子供を乗っけたり...... といった感じで強度を上げて行わなければなりません。

で、腕立て伏せで強度を上げるには限界があるので、同じ大胸筋に効かせる筋トレでもバーベルを使ったベンチプレスのような種目にして、より高い負荷をかけて筋トレを行うわけです。

過負荷状態を漸進させる

前述した「過負荷の原則」に「漸進性」持たせる考え方が最初に書いた「漸進性過負荷の原則」です。「漸進(ぜんしん)」というのは、「段階を追って少しずつ進んで行くこと」の意味ですね。つまり、過負荷の状態を作りつつ、さらに段階的にその負荷を上げていく(漸進させる)ということが必要になるということです。

例えば、50kgのベンチプレスを、10回 3セット行うのが限界という人がいたとして、その人にとって「50kgのベンチプレス、10回 3セット」は過負荷な状態なわけですが、さらにこれを、その人の重量への慣れ(適応度)に応じて漸進させます。

「10回 3セット」といっても、初めてその重量に取り組んだ場合は、

  • 1セット目 → 10回
  • 2セット目 → 8回
  • 3セット目 → 6回

といった感じで、セット数が増えるにつれ、挙げられる回数が減っていくと思います。しかしこれを何回か繰り返していると、3セット目でもなんとか10回挙がるようになります。

そうしたら、次の回には、重量を「50kg」→「52.5kg」などと増やして、また2セット目、3セット目がヤバイという状態にしてあげます。これが漸進性過負荷の状態ですね。これを繰り返すことで、その人がベンチプレスで挙げられる重量は段階的に増えていくことになり、それに応じて筋力や神経系が発達していくことになります。

初心者のうちは、普段筋肉を使っていなかったことで神経系が未発達の場合が多く、最初の3ヶ月くらいで体重が70kg程度の人ならベンチプレス40kgとか50kg弱ぐらいまでは挙げられるようになると思います。

どんな動作や作業でも、初めて体験するときはそんなに正確に、速くできないと思いますが、これが「神経系が未発達」という状態ですね。そこから慣れていくことで徐々により正確に、より速く身体を動かせるようになると思います。

筋トレも同じで、初めて行うベンチプレスは身体にとっては未知の動作なので、どうやって筋肉を動かせばこの重りを支えられるのか、上げ下げすることができるのかがわかっていない状態なので、軽い重量でもなかなかうまく挙げることができません。

しかし、人間は同じ動作を繰り返していると慣れるので、徐々にコツを掴んで1ヶ月前までは重たくて挙げるのが大変だった重量も、次第に楽に挙げられるようになります。これは筋肉自体が大きく、強くなったというのももちろんありますが、神経が発達することでより的確に、より速く筋肉を動かすことができるようになったことの影響の方が大きいです。特に初心者のうちはその傾向が強く、定期的にきちんとしたトレーニングを行うことで扱う重量を比較的短期間で上げていくことが可能です。

例えば私の場合、初めてトレーナーさんのところでベンチプレスを行ったときは、30kgでも10回 3セットで死にそうになった記憶がありますが、半年後(厳密には7ヶ月目に入ったところ)には60kgでセットを組めるようになりました。

その人の体重や体格、過去の運動歴などによって差はありますので一概には言えませんが、体重の80%~85%くらいの重量を挙げられる(1回ではなく、10回)ようになるのに概ね半年~7、8ヶ月くらいが目安になるのではないかなと、自分の経験上からは思います(別にこれが早いからスゴイとか遅いから駄目だとかいう話ではないのですけども)。

筋トレの頻度

初心者の場合、どの程度の頻度で筋トレを行えばよいのでしょうか。

筋トレを始めたばかりの時期は新しいことに取り組み始めた楽しさや早く効果を出したい欲求などもあって高頻度で筋トレをしたくなったり、逆に辛いので週1回でいいやなど、多すぎ or 少なすぎみたいな極端な感じになるケースが多いですが、最適な頻度としては「週に2~3回程度」というのが現在までの研究などを基に言われる回数です。

とはいえ、週3回だとちょっとハードルが高いと思われますので私がお勧めする最適な頻度は「週2回」(毎週 月・金など、中2日~3日で行う頻度)です。

ちなみに、この「週2回程度」というのは、その2回とも、全身にしっかりした強度の負荷をかけるという前提なので、やってみればわかると思いますが、初心者にとっては結構キツイと思います。多分、初期のうちはまだうっすら筋肉痛が残ってるっぽい...... くらいで次の回がきますからね(もしガッツリ筋肉痛が残っている場合は無理に筋トレしないでください)。

「週1じゃだめなの?」という人もいると思いますが、週1だと折角前の週に覚えたフォームを次に思い出すのに時間がかかったりと、ちょっと頻度が低すぎるかなと思います。中4日以上空かない方がよいと言われますので、なるべく週2回というペースは最低限守って筋トレを行うことをお勧めします。

なお、筋トレ上級者が発信する情報だと、よく「分割トレーニング」という用語が出てきます。「今日は肩の日」とか「今日は足の日」といったように狙う部位を分割して、週に5回とかの高頻度で、さらに部位ごとに高強度の負荷をかけて追い込むようなトレーニングの方法ですが、初心者がこんなの真似してもあまり意味はありません。個々の部位がどうこう以前に全体的な筋力が足りないので。

初心者のうちは、扱える重量も大した重さにならないため、まずは週2回とも同じメニューでよいので、後述するビッグ3(詳しくは「初心者がまずやるべき筋トレ」セクションを参照)など基本的な種目で全身のトレーニングをしっかり行い、正しいフォームを習得したり、筋トレに慣れることを重視するべきです。分割トレーニングは最低でも筋トレ中級者以上に向けた方法論だと思って一旦忘れましょう。

筋肉の回復にかかる時間

筋トレによって一度疲労した筋肉は、その後の栄養補給と休息を経ることで本来のパフォーマンスが再度出せるように回復していきますが、その回復には概ね24時間~72時間かかるといわれています。

この時間は、筋肉の大きさなどによって変わり、比較的回復が早いといわれる腹筋などは24時間もあれば回復、大胸筋や、背中の広背筋など、大きな筋肉は回復までに48時間~72時間程度かかるなど、その部位によって差があります。

よって、腹筋などについては毎日とか、1日置きにトレーニングしても問題ありませんが、大胸筋や背中の筋肉はもう少し回復に時間がかかるため、あまりトレーニング頻度を上げてしまうと、筋肉が十分に回復しておらず、本来設定したい重量でトレーニングを行うことができないなど、強度が落ちてしまいます。

そのことからも、週2回程度のペースで、しっかり筋肉を回復させてから次のトレーニングを行い、毎回のトレーニングでしっかり最大パワーを出し切る、という風にやってあげることが、効率的な筋トレにつながります。

メインセットの組み方

「メインセット」というのは、その日のトレーニングで、「各種目の主となるセット」を指します。例えば、ある時点でベンチプレスの限界重量(10回目安)が「50kg」の人が、この重量を10回 3セットやるというメニューを組んだとき、この3セットはベンチプレスにおけるメインセットとなります。

厳密には人や筋トレ歴などによって「メインセット」という言葉の考え方が違う場合もあるようですが、ここでは上記の定義に統一して話を進めます。

メインセットで扱う重量が、その時点でのその人の限界重量であることが望ましいのは「漸進性過負荷の原則」セクションで説明した通りです。初めて筋トレを行う人がビッグ3で扱う初期重量の目安については、後述する「初心者がビッグ3で扱う重量の目安」セクションで解説していますので参考にしてみてください。

ビッグ3を1日で行う場合の例

例えば1日に「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」の3種目をやるとした場合のメニュー例としては下記のような感じになります。

  1. ベンチプレス 10回×3セット
  2. スクワット 10回×3セット
  3. デッドリフト 10回×3セット
なぜ「10回」「3セット」なのか?

まず、なぜ「3セット」なのかという点については、2010年に発表された研究※1 が根拠としてよく用いられます。

この研究では、1960年~2009年までに報告された論文を基に、セット数を変えながらトレーニングすることによって、筋肥大の効果を検証するということが行われました。その結果として、

  • 1セットと複数セットの比較では複数セットの方が筋肥大が見られた
  • 1セットと2~3セットの比較では2~3セットの方が筋肥大に有意な差があったが、2~3セットと4~6セットの比較では有意な差はなかった

というデータが示されています。

これが「3セット」を適切とするの根拠です。

ただし、この結果には、筋トレ歴などによっては一概にそうとは言えないという別の結果を示す研究結果などもあり、特に筋トレ上級者の場合はセット数を増やした方が効果が高いということも近年の研究ではわかってきています。ただし、ここではあくまで初心者向けに書いていますので詳しくは触れません。

※1 Single vs. multiple sets of resistance exercise for muscle hypertrophy: a meta-analysis. J Strength Cond Res. 2010 Apr;24(4):1150-9.

さて、次にこの3セットを、どれくらいの重さを設定して行えばよいのでしょうか。

まず、漸進性過負荷の原則から、各トレーニングで扱う重量は、その人のその時点での限界重量であることが求められます。しかし限界重量といっても、それが「1回しか挙がらない重量(1RM)」なのか、それとも「10回で限界がくる重量(10RM)」なのか、どちらにすればよいのでしょう。

まず、2007年に発表された研究※2 では、下記のように総運動回数(1種目あたり)によって筋肉量の増加がどのように変化するかについて報告がされています。

  • 同じ強度での運動回数が
    • 40回以下の場合、筋肉量の増加は0.15% / 1日
    • 40~70回の場合、同 0.26% / 1日
    • 70~120回の場合、0.18% / 1日

40~70回が最も効果的で、70回以上やると効果が落ちてしまうことがわかります。

※2 The influence of frequency, intensity, volume and mode of strength training on whole muscle cross-sectional area in humans. Sports Med. 2007;37(3):225-64.

次に、2016年の研究※3 では、「1RMの30~50%の強度で20~25回」という、低強度で高回数のトレーニングを行うグループと、「1RMの75~90%の強度で8~12回」という高強度で低回数のトレーニングを行うグループをそれぞれ比較した結果、筋肉量の増加についてはそれぞれプラスで有意な差はなかったものの、「1RM」については後者の、高強度で低回数のトレーニングを行ったグループの方が有意に増加したことが報告されています。

※3 Neither load nor systemic hormones determine resistance training-mediated hypertrophy or strength gains in resistance-trained young men. J Appl Physiol (1985). 2016 Jul 1;121(1):129-38.

これらの結果から、

  • 1RMの75~90%の強度で8~12回を1セット
  • 3セットやったときの総回数が40回程度

の両方を満たすのが最も効率的ということになります。

つまり、1セットの回数を8~12回にしつつ、総回数で40回程度にするためには、「10回(8~12回が限界と考えたときの平均)× 3セット」というのを、ひとつの基準として考えると都合がよいということがおわかりいただけると思います。

参考
上記、「8~12回」で「3セット」だと、計算上最適とされる「40回以上」にちょっとだけ足りないので、「4セット」を基本にという考え方のトレーナーさんもいます。よく「10回×3セット~4セット」のように少し幅を持たせて言われるのはこのためです。

具体的なセットの組み方

さて、次に具体的な重量など、自分のメニューを考えてみましょう。

前述した通り、重量については「1RMの75~90%」がひとつの目安になるわけですが、「10回で限界がくる重さ」で「3セットやる」と言っても、考え方としてはまず下記の2つに分類できるのではないでしょうか。

  • A)3セットとも10回が限界になるように、セットごとに重量を調整する方法(当然セットが進むにつれ重量は下がる)
  • B)最初に決めた重量で3セットやりきる方法

さらに後者の方法は、

  • B-1)1セット目は余裕を持って10回挙げられる重量でよいので、3セット目で10回が限界になる重量を設定
  • B-2)1セット目から10回が限界の重量を設定し、2セット目、3セット目は挙げられる回数が落ちてもOK

という2つの考え方に分かれると思います。

どの方法論がよいのかについては人によって意見が分かれるかもしれませんが、個人的に初心者にお勧めするのは「B-1」のやり方でスタートして、ある程度各種目になれてきたら「B-2」の方法に移行していくやり方です。

まず「A」の方法は単純に面倒くさいし、各セットの適切な重量がわかりにくいのでとりあえずなし※4 として、「B-1」か「B-2」の2択になるのですが、初心者がいきなり「B-2」の方法でやる場合、「正しいフォームを覚える」という面からは1セット目の重量が重すぎると考えるからです。

※4 このセットごとに重量を落としながら行うやり方は、「ドロップセット」と呼ばれる、上級者が採用することの多いトレーニング方法なのですが、今回は初心者対象ということで。

いきなり限界重量でやると、フォームを確認する余裕がないのと、無理に挙げようとして変な癖が出てしまったりする場合もあります(例えばベンチプレスなら反動を使ったり、お尻をベンチから上げてしまったり、肩が上がってしまったりなど)から、初心者のうちはあまり最初から追い込み過ぎない方がよいと思います。

まずは「B-1」の方法を採用し、ある程度ゆとりがある重量で1セット目を行って、この1セット目は主にフォームを確認することに使い(この時、10回以上、例えば12、3回いけるなら挙げてもよい)、その後の2セット目、3セット目で筋力を使い切るみたいなイメージで進めてみるとよいと思います。

で、ある程度慣れてきて、フォームも固まってきたら、「B-2」の方法に移行して、最初の1セット目から過負荷の状態を作ることで、3セットに渡ってしっかり筋肉に負荷をかけるようにしてみるとよいのではないでしょうか。

重要なのは筋力を使い切ること

筋トレ時に重要なのは、「10回 3セットをやる」ということよりも、「そのセット数で狙った部位の筋力を使い切る」ということです。3セットとも10回できたからよいということではなく、3セット目が仮に6回しか挙がらなかったとしても、そこで限界まで筋肉を追い込み、しっかり力を出し切ることの方が大切ですから、特に初めてチャレンジする重さで、「3セット目で○回しか挙がんなかった......」みたいに落ち込む必要はありません。

ただし、もし特定の重さで2週間くらい連続してその状態が続くようなら、一度重さを下げて(-2.5kg程度)メインセットを組んでみるとよいかもしれません。で、軽くして3セットとも10回挙がるなら重量を戻すという感じで強度を調整します。

ウォーミングアップの重要性

メインセットの組み方や設定重量については上記で解説しましたが、各種目とも、いきなりメインセットから始めるみたいなやり方は怪我の原因になるので注意してください。そのためにもウォーミングアップ(ウォームアップ)が重要です。

基本的にはこれからやる種目で、重量を軽くして身体を動かし、ウォーミングアップとするのが一般的です。

例えばベンチプレスなら、

  • 最初はバーベルにウェイトを付けず、バーだけ(通常、バーだけで20kgです)、もしくはメインセットの40%~50%程度の重量で10回~15回程度
  • 次にメインセットの60%~80%程度の重量をセットして数回(3~4回程度)
  • 最後にメインセットの90%程度の重量をセットして1回だけ挙げて気持ちを整える

みたいな感じでウォーミングアップを行うとよいと思います(実際に私のトレーナーさんはこんな感じでウォーミングアップを組んでくれます)。

あまりウォーミングアップを長くやってもしかたないので、5kgとか10kg刻みで徐々にメインセット重量まで上げていくみたいなことをやる必要はないと思います。ウォーミングアップで疲れても仕方ないですしね。

あと、このウォーミングアップでしっかりとフォームについても確認するようにしましょう。

重要
運動前にストレッチをする人も多いと思いますが、ストレッチは関節可動域を広げたり、筋肉の緊張をほぐす効果はあるものの、筋トレ前に行ってしまうと筋力が低下することが近年の研究からわかっています※。入念なストレッチは筋トレ時には逆効果ですのでウォーミングアップはウェイトを使って行いましょう。

Acute muscle stretching inhibits muscle strength endurance performance. J Strength Cond Res. 2005 May;19(2):338-43. など複数の研究から

インターバルの取り方

インターバルとは、各種目の、各セットとセットの間に空ける休憩時間のことです。1セット目と2セット目の間、2セット目と3セット目の間にどのくらい休むかということですね。

インターバルの長さについても色々と意見が分かれるポイントですが、2009年にアメリカスポーツ医学会(ACSM / The American College of Sports Medicine)が発表したレポート※1 では、「3分以上」がよいとされていて、多くの場合、これを根拠に3分~5分程度と言われることが多いと思います。

※1 American College of Sports Medicine position stand. Progression models in resistance training for healthy adults. Med Sci Sports Exerc. 2009 Mar;41(3):687-708.

しかし、インターバルの取り方は筋トレ初心者か、上級者かでも変わってくるというのが最近の研究※2 ではわかってきていて、初心者から中級者の場合、短めのインターバル「1分~2分」程度で十分に効果がでると言われています。一方で上級者の場合は筋トレの強度も高いので、「3分~5分」といった、少し長めのインターバルの方がよいとも言われます。

上記を踏まえて、初心者の私は、自宅で筋トレする際、概ね2~3分程度を目安にインターバルをとるようにしています。といってもいちいち厳密にタイマーで計っているわけではないので、息を整える課程で心の中で数えつつ、大雑把にではありますが(トレーナーさんに見てもらっている時はトレーナーさんがしっかり計ってくれていますので、私は何も考えなくてよいから楽です)。

目安としては、1セット終わって、恐らく息が上がった状態になると思いますが、それがある程度整うくらいまでと考えると、概ね2~3分くらいになるかなと思います。

※2 Effects of Rest Interval Duration in Resistance Training on Measures of Muscular Strength: A Systematic Review. Sports Med. 2017 Sep 20.

ちなみに、インターバルは長くても5分くらいまでにしましょう。さすがに10分とか間を空けてしまうと身体が冷えてしまうのであまり極端に休むのは避けた方がよいと思います。また、逆に30秒などと短すぎても筋肉の疲労が全く回復せず、各セットでしっかり力を出し切ることができないので、筋トレの効果を最大限に発揮させることができません。

あえてインターバルを取らない方法も

「サーキットトレーニング」や「スーパーセット」に代表される、あえてインターバルを取らずに、もしくはごく短いインターバルのみで複数の種目を続けて行うトレーニング方法もありますが、ここでは触れません。

初心者の我々は、まずはきちんとインターバルを取りながら設定したセット数で狙った筋肉をしっかり使い切ることができるようになることが最初のステップです。

1回のトレーニング時間

上記で解説した、ビッグ3(3種目)を各種目10回 3セットで行い、インターバルを3分くらいで取ると、ウォーミングアップに使う時間も合わせて概ね40分~50分くらいになると思います。これにもう2~3種目 -例えば背中ならチンニング(懸垂)やラットプルダウン、胸ならダンベルフライ、足やお尻ならブルガリアンスクワット、その他ダンベルやバーベルを使ったアイソレーション種目など- くらいを加えて、トータル1時間~1時間半くらいに収まるようにすれば、1回のトレーニング時間としては十分だと思います。

私の場合、パーソナルトレーナーさんのところでトレーニングする場合は1回の時間が1時間と決まっていますので、その時間内でトレーナーさんはメニューを組んでくれますし、自宅でやっている筋トレも、筋トレメニュー自体は1時間ちょっとで終わる感じの内容を組んでいます(実際はその後に有酸素運動を20分くらいやっているのでトータル1時間半程度になりますが)。

1日に2時間も3時間も筋トレをする必要はないと思いますし、そもそもそんな時間を週に2回も取れる程、時間に余裕がある人は希だと思いますので、長い時間ダラダラとトレーニングするより、短い時間で集中して行うという方に注力した方がよいと思います。

重量が伸びているかを判断基準に

筋トレを続けていると、筋肉というのはそんなに短時間では目に見えるほど大きく、太くはならないため(どんなに頑張ったって筋トレ開始半年や1年でボディビルダーみたいな身体には絶対にならないですからね)、「筋トレの効果出てんのかなぁ......」とか「今のままのメニューで続けてていいのかな?」「トレーニング量が足りないのかも」みたいな感じで不安になることもあると思います。

そんな時は、2週間~1ヶ月くらいの単位でみたときに、「各種目で自分が扱える重量が徐々に伸びていっているか」をひとつ重要な判断基準として考えてみましょう。

もし、1ヶ月前よりも2.5kgとか5kgとか、仮に少ない幅でもよいので、自分がメインセットで扱っている重量が伸びているなら、それはしっかりと漸進性過負荷の原則に基づいて筋肉、神経系が発達しているということですので、安心して続ければよいと思います。

もし、きちんと週2回ペースでやってるのに、1ヶ月前から挙げられる重量が全く増えていないなとか、逆に同じ重量なのに辛いみたいな場合は、筋トレの内容が合っていない、あるいは、必要な栄養素が足りていないとか、睡眠を含めた休息が不十分で力が出し切れていないなどの問題がある可能性が出てきます。その場合はトレーニング内容や食事などを含めた生活習慣を一度見直した方がよいかもしれません。

初心者の場合は神経系の発達に伴い、ある程度速いペースで扱える重量が伸びていく場合が多いですから、最初の3ヶ月くらいは結構伸びると思います。その後は当然ながら重量が伸びるペースは落ちると思いますが、それでも少しずつ上がっていくのが正しい状態ですので、その状態を作れるように重量、セット数、筋トレ頻度、食事などを調整する必要があります。

ダイエット(食事制限)と筋トレを併用している場合は、カロリー収支がマイナスの状態なわけですので、そのマイナス幅が大きすぎる状態が長く続いていたりすると身体がエネルギー不足な状態になってしまうこともあります。ちょっとだけ摂取カロリーを増やす(大幅にプラスにするのではなく収支がトントンくらいになる)時期をちょっと作ってみるみたいな調整が有効な場合もあります。

停滞期という問題

筋トレをある程度の期間続けていると、重量の伸びなどがちょっと遅いなというか、あまり扱える重量が変わらないなんていう時期が誰にでもくるものです。特に今まで筋トレ経験がなかった初心者の場合、筋トレ開始初期にある程度一気に伸びる傾向があるので、その後も同じような伸びを期待するとちょっとガッカリするような時期が早いと半年~1年くらいで訪れる可能性が高いです(まぁこれを「停滞期」と呼んでしまうと上級者の人に怒られそうですし、初心者の場合は「初期急成長期の終わり」みたいな方が近いんでしょうけども)。

そういうときは、今までのトレーニングメニューに身体が慣れてしまったという可能性もありますので、例えばあえていつもより軽い重量で高回数のセット(1RM×50%くらいの軽いウェイトを20回とか30回とか上がらなくなるまで高回転で挙げ続けるみたいな)を組んでみたり、逆に、ちょっと背伸びして重め(3RM~6RMくらい)の重量に思い切ってチャレンジするような日を作ってみるなど、「新しい刺激」を筋肉に与えてみるといいかもしれません。

例えば加圧トレーニングなどもそういう違った刺激を入れるのに有効なので、トレーナーさんなどに相談してみてもよいかもしれませんね。

初心者がまずやるべき筋トレ

筋トレを始めたばかりの初心者がまず最初に取り組むべき基本的な筋トレ種目について、その効果や正しいフォームを解説します。

ビッグ3の習得から始めよう

「ビッグ3(Big 3)」というのは、筋トレ種目のうち、下記の3つを指します。

  • ベンチプレス
  • スクワット
  • デッドリフト

身体の中で最も大きな筋肉(例えばベンチプレスなら大胸筋を中心に、スクワットなら太ももを中心にした足回りや、お尻回りの大きい筋肉を刺激することができます)を全体的に鍛えることが可能で、さらに「コンパウンド種目」と呼ばれる、複数の関節や筋肉を動かすことで、メインターゲットとなる筋肉以外にも多くの補助筋群が動員される筋トレになるので、初心者のように筋力的にも未発達、さらに神経系の発達も未熟という場合は、この3種目をまずはしっかり行うことで全身の筋肉をくまなく鍛えることが可能です。

もちろん、前述した「漸進性過負荷の原則」を守っていたとしても、人間は同じトレーニングばかりやっていると飽きますから、それだけ半年も1年もやれとはいいませんが、まず最初の3ヶ月くらいは、このビッグ3に、自重なら懸垂(チンニング)、マシンが使えるならラットプルダウンなどの、広背筋や僧帽筋といった背中回りの筋肉を鍛えるトレーニングを組み合わせた4種目くらいを中心に、ある程度の重量が扱えるところまで持って行くことに集中してもよいと思います。

重要
身体に故障がある方、例えば過去に肩や肘に大きな怪我をして痛むといった方はベンチプレスでいきなり限界重量を挙げようとしたりすると負傷箇所に過度な負担がかかる可能性があります。また、腰痛持ちのような方はスクワットやデッドリフトで腰に負担のかからないフォームをきちんと習得することが重要です。怪我をすると元も子もないので最初に張りきって無理しないようにしましょう。

ビッグ3の正しいフォームを覚える

それでは具体的に、ビッグ3、各種目で狙う筋肉と、正しいフォームを理解するため、私がフォームを確認する際にとても参考にさせて頂いているユーチューバーさん(Sho Fitness さん)の動画を掲載しつつ解説したいと思います(この方の動画はとてもためになるので超お勧めです。その他、お勧めの筋肉系ユーチューバーさんを「まとめ・その他」セクションにまとめています)。

なお、各種目はダンベルで行うことも可能で、別種目として中級者や上級者の人でもメニューに組み込む場合が多いようですが、我々初心者はまずは基本からということですべてバーベルを利用して行う前提で話を進めます。

ベンチプレス(バーベル)

ベンチプレスは、上半身を鍛える筋トレ種目として、まぁ恐らくは誰でも知っているくらい有名なトレーニングだと思います。大胸筋をメインに補助的な筋肉として、上腕三頭筋や三角筋前部などを鍛えることができます。

ベンチプレスには、バーベルやダンベルで行うフリーウェイトでのベンチプレスや、スミスマシンという、ウェイトの軌道が固定されたマシンで行うもの、さらにベンチの角度(フラット、インクライン、デクライン)の組み合わせによって様々なバリエーションがありますが、まずは最も基本的な種目となる、フラット(水平)のバーベルベンチプレスを習得しましょう。

ベンチプレスの解説動画

ベンチプレスで重要なのは肩甲骨の寄せ方と、それによってブリッジを作るフォームになります。これがしっかり習得できていないと、大胸筋にしっかりと効かせることができないので、筋トレの効果が薄れてしまいます。

あと、上級者向けではありますが、下記の動画の中でパワーリフターの渋谷選手が解説してくれているブリッジのキープの仕方(足で押す方向の解説 / 17~19分辺り)はものすごく勉強になります。

スクワット(バーベル)

スクワットもほとんどの人がすぐイメージできるメジャーなトレーニングですね。直立した状態から膝関節の曲げ伸ばしを繰り返すトレーニングで、下半身を鍛えます。主に大腿四頭筋や下腿三頭筋といった脚部、大臀筋や中臀筋などのお尻の筋肉をターゲットに行う筋トレです。

重りを持たないで行うスクワットは、強度の低いエクササイズとしてよく行われますが、筋トレの場合は方にバーベルを担いだ状態で行う、強度の高いトレーニングになります。スクワットも、バーベルの他にダンベルで行うこともできますし、専用のマシンもあったりしますが、ここではバーベルを用いた基本的なスクワットを紹介します。

スクワットの解説動画

スクワットについては、背中のどの位置でバーベルを保持するかにより「ハイバー(High Bar)」、「ローバー(Low Bar)」の2種類に分かれますが、中級者以上の場合は、効かせたい筋肉によって使い分けるのが一般的です。

初心者の場合はそういう細かいことをあまり気にしても仕方ないのと、ハイバーの方が比較的腰に負担がかかりにくいので、まずはハイバーでしっかりフォームを覚えることをお勧めします。下の動画ではハイバー、ローバーそれぞれについて詳しく解説してくれています。

デッドリフト(バーベル)

デッドリフトは、下背部(背中)や臀部(お尻)脚部を鍛える種目になります。デッドリフトという言葉はあまり馴染みがないと思いますが、床に置いた重たい荷物を持ち上げる動作に似たトレーニングと言えばイメージしやすいかもしれません。

デッドリフトでは主に広背筋や僧帽筋、脊柱起立筋といった背中の筋肉、さらに大臀筋やハムストリングスといった下半身の筋肉が広範囲に鍛えられます。

この種目もダンベルで行うなどいくつかのバリエーションがありますし、バーベルで行う場合でも、スタンスの幅、膝の曲げ方などによっても様々なバリエーション(効かせたい筋肉や目的などによって選択します)がありますが、下記の動画でも解説されている通り、グリップについてはダブルオーバーハンドで握る形、スタンスは基本となる肩幅から始めましょう。

デッドリフトはフォームをきちんと習得しないと腰を痛めやすい種目ですので、初心者の場合はまずは十分に軽い重量でフォームをしっかり習得することを意識してください。怪我をしては元も子もないですので慎重に。また腰痛やヘルニアなど、腰に負担がかかると危険な人は高重量でのデッドリフトは避けた方がよいです。トレーナーさんなど、専門家と相談しながら行いましょう。

デッドリフトの解説動画

下の動画では、床引きデッドリフトと呼ばれる、毎回バーベルを床に置いてから持ち上げる方法(デッドリフトの基本形)で解説されていますが、私の場合は、トップサイドデッドリフト(ハーフデッドリフト)と呼ばれる、完全に床まで下ろさず、バーが膝下くらい、ウェイトが床に付く前に持ち上げる方法でやっています(つまり1セット中はずっとバーベルを持ったままです)。

ある程度の高重量で行うデッドリフトの場合、バーベルを保持するために握力も鍛えられたりしますが、握力的に厳しい人や、ガチで高重量を扱う場合は、それを補助するストラップ(あるいはパワーグリップとも呼びます)を使ったりする場合もあります。

書籍で学びたい場合

上記、動画の解説でも出典として挙げられていますが、パワーリフティング系筋トレのバイブルとも言われる、「Starting Strength」は、英語の書籍ですがとてもお勧めです。英語といっても写真などでわかりやすく解説されていますし、そんなに難しい英語が使われているわけではありませんので、興味のある方は一度読んでみると面白いかもしれません。

初心者がビッグ3で扱う重量の目安

ビッグ3をトレーニングで行うとして、初心者の場合、どの程度の重量からスタートするのがよいのでしょうか。

ここで参考になるのが「ExRx (Exercise Prescription) on the Internet」というサイトで公開されている「Weightlifting Performance Standards」(下記リンク)です。

ここに、体重別の各種目で扱う重量目安がまとめられており、これを参考にするとよいと思います。

例えば体重が70kgの男性なら、男性(Adult Men)の表の一番左側のセルから最も近い体重を探します。この場合は「67kg」を見ればよいと思います。

そしたら一番上のセルに

  • Untrained(未経験者)
  • Novice(初心者)
  • Intermediate(中級者)
  • Advanced(上級者)
  • Elite(達人級)

とそれぞれのレベルが書かれていると思いますが、まずは未経験者の欄を見てみましょう。それと自分の体重が交わった部分に書かれている重量(例えば体重67kgの未経験者なら「50.0kg」)が「1RM(1回だけ挙げられる最大重量)」の目安になります。

メインセットの組み方」セクションでも解説したとおり、この重量を「75%~90%」くらいにした重量が1セット10回を目標とした場合の重量目安になりますが、初めての人の場合はこれだとちょっと重すぎると思いますので、「60%~80%」を目安と考え「30kg~40kg」くらいの重量をまずは試してみるといいでしょう。

その時に「10回挙げるなんて全く無理って」くらい重ければ少し重量を下げて、無理なく10回挙げられる重量を設定し、まずはフォームを習得することに注力した方がよいと思います。フォームが固まっていないうちに無理な重量を挙げると怪我の危険がありますし、変なフォームが身についてしまうとあとで修正が面倒です。

体重70kg 男性のビッグ3 スタート重量目安

ということで、下記に例として体重が70kgの男性(未経験者)が最初に設定する重量の目安を種目別にまとめておきます。参考にしてみてください。

種目 1RM メインセット重量目安
ベンチプレス 50kg 30kg~40kg
スクワット 45kg 25kg~35kg
デッドリフト 57.5kg 35kg~45kg

あくまで目安としてですが、ベンチプレスの場合、体重の1倍、つまり自分の体重と同じ重量を10回挙げられるようになれば、概ね初心者脱出(中級者ですと言っても大丈夫な感じ)というのが一般的な考え方のようです。自分の体重の2倍を挙げると、パワーリフターとか競技系の人たちでもない限り相当すげぇっていうか、一般人から見たらもう化け物っていうレベルになります。

重量の上げ幅は2.5kg刻みを目安に

筋トレを続けて、今行っている重量から少し重量を上げてみようという場合、1度にどの程度の重量を追加すればよいかについてですが、一旦は「2.5kg」刻み(通常、バーベル用ウェイトの最小が1.25kgなので両側で2.5kgになります)と覚えておきましょう。

もっと一気に、5kgとか10kgとか増やしたいと思うかもしれませんが、余程最初の重量設定が軽すぎた場合を除き、10RMを目安に重さを決めている状態での5kg増は上げ幅が大きすぎます。やってみればわかりますが、一気に5kgも重量を上げてしまうと特にベンチプレスなんかは挙げられる回数が極端に落ちてしまうと思います。

基本は「メインセットの組み方」セクションでも解説したとおり、「8RM~12RM」の範囲で重量を徐々に上げていくことですから、急に重量を上げすぎて「5レップしかできませんでした」みたいになってしまうと効果的とは言えません※。また、フォームが崩れたりする原因にもなりますので、焦らず徐々に重量を上げていきましょう。

※ あえて、1RM~3RMの重量でセットを組む、みたいなことを上級者の人はやったりしますし、違った刺激を筋肉や神経系に与えるという意味では効果的な場合もありますが、あくまで初心者の基本的な考え方として。

筋トレ時に重要な栄養素とお勧めサプリ

筋トレの効果を最大限に発揮するために重要な栄養素、さらに、筋トレやダイエットを補助するお勧めのサプリメントについて紹介・解説します。お勧めサプリは、あまり多く紹介しても混乱すると思いますのであくまで初心者が最初に試すならこの辺からというものに絞っています。

プロテイン(タンパク質)

必須サプリ

まず、最も重要な栄養素として「タンパク質」が挙げられます。「ダイエットに筋トレが必要なわけ」セクションでも解説したとおり、ダイエット中はとにかく筋肉量を維持し、除脂肪体重は落とさないことが重要になります。

また、その際に必要なタンパク質の1日あたり摂取量目安が、体重(kg) × 2g~2.5g であるということは「1日に必要なマクロ栄養素の計算」で解説した通りです。しかし、同セクションでも解説したとおり、例えば体重が70kgの人が1日に摂取すべきタンパク質の目安、「140g~175g」をお肉や魚など、食物だけで摂取するのは現実的ではありません。

そこで、プロテインサプリメントを併用することで、無理なく必要なタンパク質を摂取することが必要になります。

プロテインサプリメントってそもそも何?

サプリメントというと、人によっては人工的に作られた「くすり」的なものと考えるかもしれませんが、簡単にいってしまえば牛乳などからタンパク質だけ(厳密にはタンパク質以外も含まれますが)を抜き出したもので、普通の食品です。

プロテインには「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」「ソイプロテイン」など、原料などによっていくつかの種類がありますが、一般的に市販されているプロテインで、筋トレやアスリート向けになっているプロテインは、ほぼ「ホエイプロテイン」だと思って問題ないです。

ホエイプロテインとは、原料として牛乳から作られるホエイ蛋白(乳清)を使用したプロテインサプリメントのことです。吸収効率が高いことが特徴で、筋トレには必須と言えます。

WPCとWPI、そしてCFM

このホエイプロテインは、製造方法によって「ホエイプロテインコンセントレート(WPC / Whey Protein Concentrate)」と「ホエイプロテインアイソレート(WPI / Whey Protein Isolate)」とに分類されます。

「WPC」は安価に製造できるので価格的なメリットは大きいのですが、ラクトース(乳糖)が多く含まれるため、牛乳を飲むとお腹がゆるくなる(乳糖不耐症)という人はちょっと注意が必要です。とはいえ、下記でお勧めしているものをはじめとした有名ブランドのホエイプロテインはもうひとつの「WPI」がほとんどですので、あまり気にする必要はないかもしれません。

「WPI」はWPCからさらに乳糖や脂質を分離したもので、特徴としては容量あたりのたんぱく質含有量がWPCより多いこと、さらに炭水化物が少ないという点が挙げられ、有名ブランドのアスリート向けプロテインはほぼこちらのWPIです。

WPIには、その精製方式により、「クロスフローマイクロフィルトレーション(CFM / Cross Flow Micro-filtration)」と「イオン交換法」がありますが、CFMの方がラクトフェリンなどの有効成分が多く残ることから、一般的に高品質なホエイプロテインといえばCFM方式が採用されています。

品質を売りにするプロテインの場合、パッケージに「ホエイプロテインアイソレート(WPI)」の表記と「クロスフローマイクロフィルトレーション(CFM)」という表記が誇らしげに書いてあることがほとんどですので、その辺を確認してみるとよいと思います。

個人的お勧めプロテイン

プロテインといっても多くのメーカーから様々な商品が発売されていますので、どのプロテインを買えばいいのかわからないという人も多いと思います。最終的には味の好みなど、個人の嗜好に差があると思いますので試してみて自分に合ったものを見つけるしかないのですが、私が実際に使ってみて、その上で気に入って継続使用しているプロテインを下記に挙げておきます。

チャンピオン ホエイプロテイン

現在、私が常用していて、一番お勧めなのが「チャンピオン」社のホエイプロテインです。容量は「2.2kg」入っているもので、味は「チョコレートブラウニー」味を買っています。

チャンピオン(Champion Performance)社はアメリカを代表するプロテインメーカーで、まぁ知らない人はいないくらいの有名ブランドですが、私が使っている理由はとにかく「おいしいから」のひと言に尽きます。プロテインは毎日飲むものなので、味が好みじゃないとやっぱ辛いです。その点、このプロテインは「普通に飲み物としてうまいレベル」。めちゃくちゃお勧めです。

当然ながら、WPI / CFMですので、品質的にも文句なしです。

成分表的には下記のような感じ。1回あたり、付属のスプーン(これが運送中に埋まっちゃって見つからないことが多いんですけどね......)で1杯~2杯です(私は1回 2杯で作ってます)。下記はスプーン1杯(34.34g)あたりの成分。34.34gの中にプロテインが22g含まれていて、カロリーは135kcalです。その他、脂質2gなども含まれていますね。

チャンピオン ピュアホエイプラス プロテイン スタック 成分表

プロテインの摂取量は、プロテインサプリメント自体の重さではなく、そこに含まれるプロテインの量で考えないといけませんから(スプーン1杯が34.34gだったとしても含まれるタンパク質自体は22g)、その点は注意しましょう。

ゴールドスタンダード ホエイプロテイン

多分、筋トレやっている人にプロテインのお勧めを聞くと、ゴールドスタンダード(オプティマムニュートリション / Optimum Nutrition 社)をお勧めされるケースは多いんじゃないでしょうか。それくらい有名ブランドで、品質的にも価格的にも最強クラスのプロテインです。

私は「ダブルリッチチョコレート」味が好きで、上のチャンピオンとたまに入れ替えて飲んだりしています。チャンピオンのプロテインよりも甘さが控えめで、チョコレート味も濃いので好みによってはこちらの方がおいしいという人もいるかも。

ゴールドスタンダード ホエイプロテインの成分表は下記の通り。スプーン1杯が30.4g、その中にタンパク質は24g含まれていて、カロリーは120kcalです。

ゴールドスタンダード ホエイプロテイン 成分表

ザバス ホエイプロテイン100

やっぱ国内メーカーがいいよって人には、安心のザバスをお勧めしますが、個人的にはザバスまずくて嫌いなので初期に試して以降は使ってません。

とはいえ、やはり日本ブランドの安心感はありますし、品質的には文句なしに高いです。ただ、価格的にはちょっと高いですので、味、価格的にはあまりお勧めできないかなと...... まぁ味については完全に好みの問題ですし、ザバスうまいっていう人もいると思いますのでまず最初に試してみるプロテインとしてはいいと思います。

ビーレジェンド ホエイプロテイン

国内メーカーのプロテインがいいという人に私がお勧めするのは「ビーレジェンド」です。ビーレジェンドのプロテインの特徴はまず価格が安いという点(ただし「WPC」です。)と、色々な味が選べて面白いという点です。

個人的に好きなのは下の「情熱のパッションフルーツ風味」です。ふざけてる感じではありますが、おいしいのと、通常、プロテインというとチョコレート系の味が多いので、たまに気分転換したいときなどにはいいですよ。

11種類の味がアソートされたお試しパックもあるので味が気になる人は試してみるといいかもしれません。

あと、少し価格は上がりますが、WPI / CFM のプロテインもラインナップされていますので、WPCだとお腹がゆるくなって困るという場合はこちらを選択するとよいと思います。

シェイカーがあると便利

プロテインを水などに溶かすとき、シェイカーがないと面倒くさいと思いますのでプロテインを購入する際はあわせて買っておくと良いと思いますよ。私はザバスのプロテインシェイカーを使っています。

プロテインの摂取タイミング

現時点での最新の研究※ では、最も効率的なタンパク質の摂取タイミングや摂取量は下記の通りとされています。

  • 筋トレ後のタンパク質摂取が有効
  • 筋トレ後、30分~1時間以内(これを「ゴールデンタイム」と呼びます)のタンパク質摂取が最も筋タンパク質合成に対して有効
  • 筋タンパク質の合成が活発になる時間は、筋トレ後、24時間~72時間程度は継続する
    • 筋トレ後、24時間で摂取したタンパク質の「総量」が重要という考え方が主流
    • 筋トレ後、3時間~4時間おきに、20g程度のタンパク質を摂取することが最も効果が高い(もう少し詳しくいうと、同じ12時間内であれば、「10gの少量を1.5時間置き」、あるいは「一度に倍の量である40gを6時間置き」に摂取するより、「20gを3時間置き」に摂取する方が、タンパク質の摂取総量は同じでも、より効果が高い)
  • 就寝前のタンパク質摂取は就寝時の筋タンパク質合成に対してとても有効
    • 上記した、「筋トレ後、24時間で摂取したタンパク質の量が重要」という点と照らし合わせると、筋トレは朝よりも夕方に行う方が、適切なタンパク質の摂取タイミングと就寝前の摂取を両立しやすい

ということで、上記をしっかりと覚えた上で、1日のタンパク質摂取目安である、体重(kg) × 2g~2.5gを摂取する必要があります。

なので、体重70kgの人を例に、筋トレ日のタンパク質摂取タイミングをまとめると、

  • 筋トレ終了後、30分~1時間以内には最初のタンパク質を摂取(20g目安なので、プロテインサプリメントならスプーン1杯、サラダチキンなら1個とかですかね)
  • その後、3時間~4時間置きを目安に、同量を6回~8回(プロテインサプリでも食物からでも)
  • 最後の摂取が就寝前になるとベター(寝る前ならプロテインサプリの方が楽)

という感じになりますね。

とは言っても、実際には3時間置きに6回も8回もプロテイン飲むのなんか面倒くさいですし、そもそも夕方にトレーニングしたら、その頻度だと夜中になっちゃうので、これはあくまで「理想的には」というくらいに考えておいて、自分なりに現実的な摂取タイミングを考えましょう。

私の場合は概ね下記のような感じにしています(筋トレをする日)。

  • トレーニング後(1時間以内)にプロテインサプリをスプーン2杯(タンパク質換算で42g)
  • 夕方のトレーニングの場合は数時間後にくる夕飯後にプロテインサプリをスプーン2杯
  • 寝る前(あまり寝る直前ではなく1時間くらい前)にプロテインサプリをスプーン1~2杯

そうすると、プロテインサプリで計100g~126gのタンパク質を摂取していることになるので、あとは朝昼晩のごはんから摂取する量とで、概ね目標量を摂取できるかなと。

International Society of Sports Nutrition Position Stand - Journal of the International Society of Sports Nutrition

筋トレがない日でもプロテインは必要?

必要です。筋トレした日だけでなく、それ以外の日も、体重(kg) × 2g~2.5gを目安にタンパク質を摂取する必要があります。

私の場合、筋トレのない日は朝ごはんと晩ごはんの各食後と、寝る1時間くらい前にプロテインサプリでタンパク質を摂取するようにしていますが、1日外出したり、外食したりするときはプロテインを持ち歩けないので、食事メニューでなるべくタンパク質を多めに、みたいな意識をして食べるものを選んだりしています。

プロテイン摂取は肝臓や腎臓に悪いという話

よく、プロテインを飲む(タンパク質を多く摂取する)と、肝臓や腎臓に負担がかかるから...... みたいな話を聞くことがあります。

確かに「理論上」は、体内に取り込まれたタンパク質(アミノ酸)を分解する際に発生するアンモニア(有害)を尿素(無害)に変換して排出する過程で、肝臓や腎臓が仕事をするため、そこに負担がかかることはわかっています。

しかし、それが健康に影響がでるくらい深刻なものなのか、という点については現時点でその可能性が否定されています。否定されていますというか、健康に影響が出るほどの過剰摂取がどのくらいなのかについて示すようなデータがないということではありますが。

上記参考リンクは厚生労働省が公開している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」ですが、その中のタンパク質に関する報告にある「剰摂取の回避」項目では、

たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。

と記述されています。要するに「今のところ健康に影響が出るタンパク質過剰摂取の閾値はわかっていないから摂取上限は設定できない」と言っているわけです。つまり、「少なくともタンパク質の過剰摂取が原因とされるような健康被害の報告は今のところないから、タンパク質の過剰摂取については気にしなくていいよ」という結論になっています。

もちろん、肝臓や腎臓に元々疾患を持っている人の場合は気を付けないといけない点もありますが、それはもう別の問題ですので、そういう人は医師に相談するなりしていただいて、健康な人は、ちょっとプロテイン飲み始めたくらいでいちいち肝臓や腎臓が~ などと考えなくても大丈夫ですよということです。

BCAA

オススメ度 ★★★★★

「BCAA(Branched Chain Amino Acids)」とは、必須アミノ酸である「ロイシン」、「イソロイシン」、「バリン」の3つを指します。

BCAAはタンパク質を構成する主要な必須アミノ酸ですから、よくサプリメントで「BCAA」として売られているものは、タンパク質の中から、この3つの必須アミノ酸だけを取りだしたものと考えればよいでしょう。

プロテイン(タンパク質)の中にもBCAAが含まれているならなんでわざわざ別に摂取するの? ということですが、BCAAは日常的に摂取する栄養素というより、筋トレの効果をより高めるために摂取するものと考えた方がよいと思います。

プロテインの中から、特に筋タンパク質の分解を抑制したり、逆に合成を促進させる効果があるアミノ酸だけを抜き出すことで、より効率的に効果を出しましょうというサプリメントになります。プロテインに比べて価格が高いですし、日常的にはプロテイン、筋トレ時にBCAAを追加といった感じで使い分けるとよいでしょう。

BCAAを摂取することで下記のような効果があることがわかっています。

  • BCAAは筋トレ時における筋たんぱく質の分解を抑制する
  • BCAAのうち、ロイシンは膵臓からのインスリン分泌を促進し、筋たんぱく質の合成を促進する
  • BCAAの摂取によりミトコンドリアの生合成が促進されることで、活性酸素による酸化を防止することが期待できる

このことから、筋トレ前や筋トレ中~後にBCAAを摂取することがトレーニング効果を高めるというのが現在の一般的な考え方です。

BCAAの摂取タイミングと量

前述したとおり、BCAAは「筋トレ前」「筋トレ中」、加えて「筋トレ後」に摂取することで、トレーニング効果を高め、筋肉の回復を早めると言われています。また、その際の適切な摂取量としては「5g~10g / 1回」くらいと言われます。

BCAAは、摂取後30分~60分程度で血中のアミノ酸濃度が最大になると言われていますので、例えば筋トレをする日は、筋トレ開始時間の30分~45分くらい前に5g~10g程度を水に溶かして飲み、その上で同量のBCAAを水などに溶かしたドリンクを用意しておいて、筋トレ中の水分補給時にそれを飲みながら行うといった摂取方法がお勧めです。

個人的にはビーレジェンドのBCAA(下記は500g入りのものですが、私は1kg入りを買っています)を愛用しています。

あと、サイベーション社のエクステンド BCAAは味も飲みやすいので個人的には好み。コストパフォーマンス高いので、筋トレ上級者の方も結構お勧めしていることが多いブランドです。

上記はAmazonのリンクですが、私は「iHerb(アイハーブ)」で購入することが多いです。このサイトは海外ブランドのサプリメント購入にはとても便利なのでお勧めで、「海外からサプリをお得に購入する」セクションでも簡単に紹介しています。

日本ブランドがよい場合は、ザバスやグリコなどからも発売されていますので、好みに応じて選んでみるとよいでしょう(Amazonで「BCAA」を検索)。

ちなみに味に関しては多くの商品が無味か、すっぱい系(レモン風味とか)です。そのままだと苦手だという人は、オレンジジュースに溶かしたりすると比較的飲みやすいかもしれませんが、BCAAは水に溶けにくいものが多いので、飲み物と混ぜる場合はシェイカーがあった方がよいと思います。

なお、一般的に成分中における「ロイシン」:「イソロイシン」:「バリン」の割合が「2」:「1」:「1」くらいで含まれているBCAAが機能的と言われていますので、購入の際にはその辺を見てみるとよいと思います。

クレアチン

オススメ度 ★★★★☆

クレアチンは「アルギニン」「グリシン」「メチオニン」というの3種類のアミノ酸から構成され、筋トレ時のパフォーマンス向上や筋肥大に効果があると言われています。

クレアチンの摂取自体が筋肉を強くしたり大きくしたりするということではなく、クレアチンを摂取することで筋トレ時に筋肉のエネルギー効率を高め、それによって、より高強度のトレーニングが行えるから、筋肉の増加にプラスですよという考え方になります。

摂取タイミングとしてはトレーニング後、もしくは食後(炭水化物を摂取した後がよいと言われます)に、1回の摂取量は5g程度を十分な水と一緒に。これを1日に1回で大丈夫です。

よく、「クレアチン・ローディング」とか言って、最初の1週間程度、1回20g×4 / 1日みたいな感じでかなり多めに摂取する期間を作ってから、メンテナンス期と呼ばれる、5g / 1日の摂取に移行するみたいな方法が紹介されたり、商品のパッケージでも摂取方法として案内されていたりするんですが、私はそういうの面倒くさいので、もうなんも考えずに「朝ごはんの後のプロテインとあわせて5g摂取」みたいな感じで決めてます。

なお、クレアチンは水に溶けにくいので、水や飲み物に入れてもざらざら感が残りますから、私の場合はスプーンで直接口の中に放り込んで水で流し込む方法で飲んでます。無味無臭なのでその方法でも多分気にならないと思います。

カフェイン

オススメ度 ★★★★★

「カフェイン」ってコーヒーとかに入ってるやつ? と思った人、そうです、そのカフェインです。

カフェインには脂肪の分解を促進するという研究※ は以前から多く発表されており、有酸素運動の前にカフェインを摂取することで、より効率的に体脂肪を減少させることができることから、ダイエット系のサプリメントにはカフェインを多く含んだものがよく見られます。

Effects of caffeine on energy metabolism, heart rate, and methylxanthine metabolism in lean and obese women. Am J Physiol. 1995 Oct;269(4 Pt 1):E671-8. など

ですので、よくトレーニング前にブラックでコーヒーを飲むといいよみたいなことを言われるのですが、これは筋トレに対してのパフォーマンスを上げる効果ではなく、運動による体脂肪燃焼を効率よくさせるためのもの。でも折角運動するなら体脂肪をより多くエネルギーとして使えた方がよいですし、コーヒー飲むだけでいいなら楽なのでぜひ取り入れたいですよね。

ただ、私もそうなのですが、コーヒー飲めない(甘いヤツなら飲めるんですけどブラックは無理)という人も中にはいると思います。そういう場合はカフェインを多く含むサプリメントで代用することも可能です。私は下記のサプリメントをトレーニング前には必ず飲むようにしています。

同じく、コーヒーは飲めない、苦手という人が、トレーニング前に手軽にカフェイン摂取するなら、所謂エナジードリンクなんかはお勧めです。個人的には「Monster Energy(モンスターエナジー)」の白い缶のやつが、カロリーゼロということもあって好み。

あと、カフェインとは異なりますが、脂肪燃焼を助ける働きを売りにしたサプリメントもあります。有名どころだと「VAAM(ヴァーム)」とかですね。味もおいしくて飲みやすいので私もよく使用します。

コーヒーにしても、どのサプリにしても摂取タイミングはトレーニングの前です。

カフェインの過剰摂取には注意

カフェインに限らずなんでもそうなのですが、過剰に摂取すれば身体に悪いですよというのは当たり前の話です。

カフェインの安全な1日あたりの摂取量については、様々な機関がまとめています。

  • 米国、保健福祉省(DHHS)や農務省(USDA)発行の2015年の栄養ガイドラインに関する科学レポートでは、「健康な大人の場合、1日あたり400mgまで」をリスクが増加しない範囲としている
  • 欧州食品安全機関(EFSA)が行ったリスク評価では、「大人の場合、体重1kgあたり 3mg/日」なら急性毒性の懸念はないとしている

カフェインを摂取する場合は、これらを目安に量を考えるとよいと思います。ちなみにレギュラーコーヒー1杯(100ml)には60mgくらいのカフェインが入っているらしいですよ。

CLA(共益リノール酸)

オススメ度 ★★★☆☆

CLA(共益リノール酸)は、不飽和脂肪酸の一種で、牛乳やバター、チーズなどの乳製品にも含まれていますが、これをサプリメントとしたのが「CLA」として販売されているものです。CLAには下記のような作用があることがわかっています。

  • 脂肪を分解する酵素を活性化 → 脂肪燃焼を助ける
  • 脂肪細胞内へ余分な脂肪を取り込む酵素の働きを阻害 → 脂肪の蓄積を抑える

筋トレが体脂肪の減少を促進」セクションで、体脂肪はそのままではエネルギーとして利用することができず、一度分解して、血液中に放出する必要があること、さらに、血液中に放出された中性脂肪は、エネルギーとして消費されなければまた元通り体脂肪として蓄えられるという点について解説しましたが、CLAは前者を助け、後者を阻害することで、脂肪が身体に溜まりにくくしてくれるわけです。

筋トレというよりは、ダイエット、減量時に有酸素運動の効果をより高めるといった目的で摂取するとよいと思います。

上で紹介した「カフェイン」も、脂肪を分解する酵素を活性化する働きがあるので、トレーニング前に摂取するとよいと言われるのですが、CLAは、それに加えて一度血中に溶け出した脂肪を再度身体が取り込むのを抑制する効果もあることから、ダイエットを目的とした用途で注目されています。

整腸作用系サプリ

オススメ度 ★★★★☆

筋トレの効果を最大限に発揮するためにはタンパク質の摂取量が重要という話は何度かしていますが、人によってはタンパク質の摂取量を増やすとお腹の調子が気になるという場合もあると思います。

その場合には、例えば下記の「エビオス錠」のような、整腸作用のあるサプリメントを併用するとよいかもしれません。

あとは、ヨーグルトのような乳酸菌を多く含む食品を意識してとるといったことも有効ですね。

海外からサプリをお得に購入する

国内ブランドのサプリメント(プロテインやBCAAなど)については、比較的どこでも買いやすいですし、通販ならAmazon楽天市場などを利用することで自宅にいながら購入することができます。

しかし、海外ブランドの製品となると、地元の小さなお店では売っていなかったり、通販でも売ってはいるものの、価格が高かったり、届くのにものすごく時間がかかる場合、あるいはAmazonの場合はマーケットプレイスからの購入になるので「海外から発送」などと言われるとちょっと不安...... みたいな人もいると思います。

そんな時に便利なのが「iHerb(アイハーブ)」という、海外のサプリメント専門通販サイト。なんだよ結局海外のサイトかよと思うかもしれませんが、日本語でも問題なくアカウントを取得したり、買い物ができますし、支払いも日本発行のクレジットカードでもちろん問題ありません(今はコンビニ支払いも選択できます)。

また、購入した商品は、佐川急便、もしくはヤマト運輸が届けてくれますし、一定金額以上の購入で、送料が無料になるので、とてもお得。

個人的には、愛用している「チャンピオン」社のホエイプロテインだけ、iHerbだと取り扱いがないので、これは楽天市場のいつも利用させていただいているショップで購入していますが、それ以外はほぼiHerbで購入しています。

筋トレやる人の間では超有名な通販サイトなので、覚えておくとよいと思います。

自宅でできる筋トレ

ジムに行く時間がなかなか取れない、自宅でもある程度の強度で筋トレがしたいという人向けに、一般的な家庭でも設置に無理のないダンベル程度の器具を使って行える筋トレメニューを紹介。

自重トレーニング(器具不要)

「自重トレーニング」というのは要するに自分の体重を使って、筋肉に負荷をかける筋トレです。

自分の体重のみなので強度はある程度限定されますが、フォームやスピードを変えたりすることで細かい強度調整ができることや、何よりも自分の身体ひとつでいつでもどこでもできることなど、メリットも多いですし、運動経験が少なかったり、極度に肥満の人の場合、いきなりウェイトを使った筋トレだと強度が高すぎる場合もあるため、まず最初に取り組んでみるにはちょうどよい筋トレメニューになります。

腕立て伏せ

誰でも恐らく知っているあの「腕立て伏せ」です。とはいえ、女性や、男性でも運動経験が全くない人などだと、腕立て伏せが1回もできない、もしくはできても2、3回という人は少なくありません。

また、自分ではできていると思っても、しっかりとした正しいフォームで行わないと意味がなく、正しいフォームで行うと案外回数ができなかったなんてことも普通にあります。なめてかからない方がよい基本中の基本がこの腕立て伏せですね。

腕立て伏せで鍛えられる筋肉は主に「大胸筋」(腕の筋肉の一部も使いますけども)です。ただし、正しいフォームで行わなければ意味がないことは前述したとおりですので、まずは正しいフォームを習得しましょう。

下記の動画は初心者の人にもわかりやすく、腕立て伏せの基本的なフォームを解説してくれていますのでとても参考になります。

もし、正しいフォームで腕立て伏せをやろうとするとキツすぎてできないという人は、下記の動画が参考になります。まずは強度を下げた方法で行い、慣れてきたら本来のフォームで行うという感じにするとよいでしょう。

逆に、単なる腕立て伏せでは楽すぎて、20回とか30回とか余裕だぜ、みたいな人は、次のセクションで紹介するプッシュアップバーを利用した方法や、それに加えて、足の位置を高くしてあげれば強度が上がりますので、そうやって調整するとよいでしょう。

スクワット

「スクワット」を自重だけで行う方法も、メジャーなエクササイズなので説明しなくてもわかる人がほとんどだと思います。スクワットで鍛えられる筋肉は、お尻回り、太ももの前後の筋肉になります。特にお尻の垂れが気になるなんて人(男女問わず)にはお勧めの筋トレになります。

フォーム解説は下記の動画が詳しくて参考になります。重りを使わなくても、マジメにやれば数分で汗だくになるくらいのいい運動になります。

ブルガリアンスクワット

スクワットのバリーションですが、椅子などに片足を乗っけた状態で行うスクワットが「ブルガリアンスクワット」になります。両足のスクワットよりも強度が高いです。また、少し重心を前にすることで、お尻の筋肉により効果的に効きますので、ヒップアップ効果を狙えます。

器具不要って言っといて椅子使ってんじゃんと思う人もいるかもしれませんが、まぁ椅子くらいどこの家庭にもあると思いますので、わざわざ器具をそろえる必要がないという意味で、器具不要に分類しています。

腹筋

これも多くの人がイメージしやすい運動だと思いますが、同時に、一般的に認識されている「腹筋運動の動作」と「効かせたい筋肉」との関係が間違って理解されているケースが最も多い筋トレでもあります。

簡単に言ってしまえば、一般的に腹筋運動といったときにほとんどの人が思い浮かべる、寝た状態から上半身を起こす動作の繰り返しについては、腹筋(腹直筋)の下部や股関節の筋肉(腸腰筋など)に効かせたい場合はよいのですが、腹直筋上部にはあまり刺激が入りません。

腹直筋は縦にとても長い筋肉ですので、これを全体的に、かつ効果的に鍛えるためには、それぞれに適した動作を行う必要があります。下記の動画はその両方をうまく説明してくれていますのでとても参考になります。

意識するべきは腰を曲げるとか身体を起こすことではなくて「腹直筋を収縮させる」という点です。これをしっかり意識して行えば、自重だけでもかなり腹筋が痛くなるくらい負荷をかけられると思います。

リバースプッシュアップ

「リバースプッシュアップ」も椅子さえあれば簡単にできる自重トレーニングで、主に上腕三頭筋を鍛えることができます。やり方は下の動画を見ていただくのが早いと思いますが、強度を上げたければ、足の位置を高くするといった方法で調整が可能です。

ディップス

ディップスは、大胸筋と上腕三頭筋を鍛えることができる自重トレーニングです。

詳しい動作は下記の動画を参考にしてみてください。

なお、動画では当然のように完全に身体を浮かせた状態でやっていますが、初心者の場合は、足先を床につけたままの状態から始めると強度的にちょうどいいと思います。いきなり身体を完全に浮かすのはハードル高いのと、負荷が高すぎて肩が上がった(肩をすくめたような状態)フォームになると意味がなくなってしまいます。

で、これも見ていただければわかるとおり、思いっきり器具使ってますね。

ディップス用の器具としては「ディップススタンド」と呼ばれる器具も売っています。とはいえ、例えばダイニングテーブルで使うの椅子のように、背もたれのついた椅子が2脚とかあれば、それの背もたれ部分をディップススタンド代わりに使うことで行えますし、無理に器具をそろえる必要もないってことで、器具不要で紹介しました。

自重トレーニング(簡単な器具のみ)

前のセクションで解説した自重トレーニングに、簡単でお安い器具を加えて、少しだけ強度を上げてみましょう。

腕立て伏せ(プッシュアップバー)

プッシュアップバーというのは下記に掲載したような、なんて言うんですかね、取っ手といいますか、そういう器具です。プッシュアップバーで検索すれば色々出てくると思いますが、作りさえちゃんとしていれば安いやつで構いませんので、私は下記の商品を使っています。

プッシュアップバーを使って腕立て伏せをすると、手の位置が上がる分、床までの距離ができて、可動域が大きく取れるようになるんですよ。つまり、床に直接手をついている状態では身体を下げていったときにある程度のところで床に胸が付いてしまうわけですけども、プッシュアップバーがあることで、さらに下までおろせますよと。

やってみればわかりますが、可動域が広がるだけで、負荷が結構上がります。なので最初からプッシュアップバーはあった方がいいくらいだと私は思っています。安い買い物ですし、もしプッシュアップバー買うのがダルいという話なら、手の下に本でも板でも、なんか適当な高さのある物を置いて、胸の下に空間を作ってやればよいので、簡単に試せると思います。

アブローラー(腹筋ローラー)

腹筋を鍛える器具として有名なのがアブローラーですね。安価に購入できるというのと、膝をついたり、つけなかったりで強度が大幅に変えられたり、初心者から上級者まで、長く使えるトレーニング器具だと思います。

ただ、これも正しいフォームでやらないと腰を痛めたりしますので、下記の動画などを参考に正しいフォームで行ってみてください。

ちなみに私が使っているアブローラーは、下記(アディダス社製)です。どこのメーカーのでもよいと思いますが、個人的に、あまり車輪の幅が広くて、安定感がありすぎる物(例えば車輪がダブルで簡単に自立しちゃうやつとか)は、自分の筋力でバランスを取らなくて済んでしまって、結果的に筋トレの強度が落ちるので避けた方がよいと思います。

ちなみに、「初心者がまずやるべき筋トレ」セクションで紹介したビッグ3のうち、スクワットやデッドリフトは、ウェイトの重さに負けないように背中を固める過程で体幹といいますか、腹筋が自然と鍛えられますので、ジムでしっかりトレーニングしている人は、無理に腹筋をやらなくてもある程度勝手に鍛えられちゃいます。

実は私もトレーナーさんのところで筋トレを始めて半年が近づいたくらいの時に興味本位でアブローラーを購入したんですが、膝をつけずにやって(所謂「立ちコロ」ってやつです)いきなり1、2回はできちゃった(フォームは汚かったと思いますけど)ので、ジムでトレーニングもやってますという人は、最初から無理にやる必要はないかもしれないです。

とはいえ、膝コロでも短い時間で腹筋にかなりの負荷をかけられますし、楽しいので私も今ではよくアブローラーで遊んでます。

チンニング(懸垂)

懸垂は、背中の筋肉(主に広背筋)を鍛えるのに最適な筋トレで、男性としては特に上半身の逆三角形シルエットに重要な広背筋を鍛えられることや、自重でもかなり強度の高いトレーニングになるためお勧めですが、器具的には結構大変なんですよね。懸垂用のバーみたいの買わないといけないですし、賃貸物件でヘタにドア枠に固定する系の懸垂バーを取り付けて家をぶっ壊したりしても嫌ですし......

ということで、自宅で懸垂をできる人は限られると思いますが、近所に公園などがあれば、そこの鉄棒でもできたりしますし、正しいフォームを覚えておくとよい種目だと思います。

懸垂のフォームについては下記の動画がめちゃくちゃわかりやすいです。

ダンベルを購入しよう

ここまでは自重のみ、もしくはなるべく簡単な器具のみで行える筋トレを紹介しましたが、ちょっとだけ奮発してダンベルセットを購入すると、それだけで自宅でできる筋トレメニューの幅がものすごく広がりますし、強度も相当上がります。

また、もし部屋の広さに余裕がある人は、ベンチも購入すると、初心者が自宅でやる筋トレの環境としてはほぼ文句なしの状態に。まぁベンチはさすがにデカいし邪魔という人も多いと思いますので、ベンチがない場合の方法(実際に私も今のところベンチ持ってないので)も最後に紹介しています。

お勧めはアジャスタブルダンベル

「アジャスタブルダンベル」というのは、わかりやすく日本語で言えば、「調整式ダンベル」ということです。自宅が広くて部屋が余ってますよなんて人はいいと思いますが、マンションなどに住んでいて、スペースに限りがある場合、ダンベルを何本も重さごとに買いそろえるなんてできないと思いますし、邪魔だと思います。

そこで、ダンベルとしては1本なんだけど、ダイヤルなどを回すことで、簡単に重さを調整可能にしたダンベル、つまり「アジャスタブルダンベル」というのが売られています。

アジャスタブルダンベルの代表的なメーカーというかブランドとしては2つあって、ひとつが「パワーブロック」、もうひとつがボウフレックス(Bowflex)社が販売している「アジャスタブルダンベル」です。

で、世の中の常ではありますが、両社の商品を形や機能だけパクった(パクったっていうと怒られるのかな)類似商品というのが色々と販売されていて、もちろんオリジナルの物が品質的にも一番高いので、本来はそちらを購入する方がよいと思いますが、やはりちょっと価格がお高いので、類似商品の方もとても人気があります。

私も個人的にボウフレックス社のアジャスタブルダンベルの類似品を購入して使っています(下記リンクは実際に購入したに書いた参考記事)が、5kg~40kg(2kg~3kg刻み)という広範囲の重量を省スペースでそろえられるので、とても便利です。

最低でも40kgまでの物を購入しましょう

アジャスタブルダンベルを購入する際、最大重量が「約24kg」までの商品と、「約40kg」までの商品の2サイズが見つかると思います。この時、初心者だと片手24kgでも十分だろと思って小さい方を購入してしまいがちですが、絶対に後悔するのでやめた方がよいです。

必ず、40kgまで調整可能な方を購入しましょう。また、当然ながら2本セットを購入しましょう。概ね、類似商品に関しては2本セットでの販売が多いですが、購入時には確認した方がよいと思います。

ベンチもあるとなおよい

ベンチ、特に角度が可変できるインクラインベンチが自宅にあると、ダンベルとの組み合わせで、ジムでのトレーニングにかなり近いくらいのバリエーションと強度で筋トレが行えます。余裕がある人はぜひ購入することをお勧めします。

その時、安いベンチはいくらでも売ってるんですが、長く使う物だと思いますし、あまりケチると後悔することになるのである程度の価格帯以上の物を購入した方がよいと思います。これは品質的にも強度的にもですね。

個人的にいくつかのベンチを実際に見たり触ったりした結果、3万円~4万円台の価格帯になると、かなりしっかりした物が手に入るなという印象です。

例えば下記にボウフレックス社製ベンチは3万円台後半ですが、かなり品質的にも機能的にも優れています。

ちなみに、少し角度調整のバリエーションが少ない「3.1」というバージョンも売られていて、こちらは3万円を切る価格で購入できます。

あと、下記の商品なんかも価格と品質のバランス的にはいい感じでした。

あとベンチを使う場合、それから、筋トレ中に誤ってダンベルを落としたりしたときに床を傷つけないためにも、マット類は敷いた方がよいと思います。フィットネス用として売っているものもありますし、小さい子供の怪我防止などの目的で売られているジョイントマットのようなものを何枚か買ってきて敷くなんて手もいいかもしれません。

ベンチがなければストレッチポールを使う

ベンチがあると、次のセクションで解説する、ダンベルを使った「ダンベルベンチプレス」や「ダンベルフライ」などの上半身トレーニング時にとても便利ですが、どうしても部屋にベンチが置けない場合で、ダンベルベンチプレスやダンベルフライをやるときは、ストレッチポールを使います。

ストレッチポールというのは、その名の通り、下記のようなストレッチ時に使うポールなんですが、私の場合はヨガマットの上にこいつを置いて、その上でダンベルベンチプレスやダンベルフライを行います。

転がって不安定じゃないの? と思うかもしれませんが、慣れれば大丈夫。とはいえ、もし同じ事を試される場合、最初のうちは軽い重量で試してくださいね。いきなり限界重量でやろうとすると転がって怪我するかもしれないので絶対にやらないようにお願いします。

ストレッチポールも買うの無理という場合は、折りたたんだ座布団でもなんでもよいので、背中部分において、少し床から身体が浮くようにしましょう。そうしないと腕を降ろしたときに二の腕の部分が床についてしまって十分な可動域が取れず、トレーニングになりませんから。

あと姿見(全身鏡)も買っとけ

ダンベルとベンチを購入できる余裕があるようでしたら、ぜひもう1アイテムだけ同時にそろえておいて欲しいのが「姿見」です。全身鏡とかスタンドミラーって言った方がわかりやすいかもしれませんが。

というのは、トレーニング時のフォームを確認するのに、自分の全身が写せる鏡があるかないかで、フォームの習得までの効率が変わります。下記に紹介するダンベルを用いた筋トレメニューも、鏡で確認しながら行うことで正しいフォームに短い時間で近づけることができると思いますので、筋トレに鏡は必須くらいの勢いで購入をお勧めします。

ダンベルを使った胸の筋トレ

ダンベルと、ベンチが家にある。そんな恵まれた環境を持てた人は下記のような様々な種目を自宅で行うことができます。

ここでは、週に1回か、2回はジムでトレーニングをしていて、その他、補助的な筋トレを自宅でもやりたいという感じの初心者さんをイメージして、お勧めのダンベルメニューを紹介します。例によってフォーム解説はわかりやすい解説動画を筋トレ上級者の先輩諸氏が公開してくれていますので、それを使わせて頂きます。

まずは、大胸筋を中心に胸の筋肉を鍛えるダンベル種目を紹介していきましょう。

ダンベルベンチプレス

ベンチプレスをダンベルでやるので、「ダンベルベンチプレス」ですね。バーベルと比べて、両腕の位置が固定されないので、左右それぞれ別々にバランスを取らないといけないため、メインとなる大胸筋以外にも様々な筋肉が動員されるメリットがありますが、その分、通常はバーベルベンチプレスよりも軽い重量しか挙がりません(重量目安はバーベルベンチプレスの70%程度)。

一方で、バーベルベンチプレスとはまた違う刺激が入るので、併用することで大胸筋トレーニングのバリエーションを増やすことができます。

インクラインダンベルベンチプレス

ダンベルベンチを、インクライン(頭側が上るように角度をつけた状態)で行うのが「インクラインダンベルベンチプレス」です。角度をつけられるインクラインベンチを持っていればこの種目を自宅筋トレメニューに加えることができます。

フラットベンチしか持っていない場合、荒技として、ベンチの足の片側を高い台などの上に置いて強制的に角度を付けるやり方もありますが、危ないのでまぁ普通はお勧めしません。

インクラインダンベルベンチプレスのフォーム解説は下記の動画がわかりやすいです。

なお、インクラインの方が、フラットよりも挙げられる重量は下がると思いますので、最初は少しゆとりのある重量からスタートしましょう。

ダンベルフライ

「ダンベルフライ」は、ダンベルを使った大胸筋のトレーニングの中でも代表的な種目です。ダンベルベンチプレスもダンベルフライも、ダンベルを結果的に上げ下げすることには変わりない(どちらも肩関節の水平内転に対してウェイトで負荷をかける種目)のですが、手の向きとそれによってダンベルが通る軌道が異なります。

フライは胸(というか腕)を開く感じでダンベルを動かすことで、ベンチプレスに比べて、より大胸筋にストレッチをかける種目になります。まぁ言葉で説明してもわかりにくいと思いますので、下記の動画で確認してみてください。

この種目はフォームを習得するのに少し慣れが必要なので、初めてやる時は、5kgなど、思い切って軽い重量からスタートして正しいフォームでできているか確認しつつ進めましょう。

ダンベルを使った肩と腕の筋トレ

肩のトレーニングの場合は、主に三角筋をターゲットに、腕の場合は、上腕二頭筋や上腕三頭筋などをターゲットにするダンベル種目などがメジャーなところです。特に肩の筋肉は、見た目的な「肩幅」を形作る重要な要素ですし、背中の広背筋とあわせて逆三角形のシルエットを作る上でとても重要になります。

初心者のうちは、まず5kgなど、軽い重量で、回数の方を重視してはじめ、フォームも固まって慣れてきたら徐々に重量を上げるという感じでやっていくとよいと思います。いきなり重たい重量でやるとフォームが崩れてしまう場合が多いです。

ダンベルショルダープレス

肘を曲げた状態で肩の上、顔の横らへんにダンベルを保持して、そのまま腕を伸ばしてダンベルを挙げる、腕を曲げて元の位置に戻すという動作を繰り返すのが「ダンベルショルダープレス」です。三角筋を鍛える代表的な筋トレメニューです。

サイドレイズ

「サイドレイズ」も三角筋をターゲットにした肩の筋トレメニューです。正しいフォームで行わないと、三角筋ではなく、背中の筋肉である僧帽筋に負荷が入ってしまうので、初心者のうちはフォームを正しく習得することにまずは集中しましょう。

サイドレイズは身体の横方向に腕を挙げる種目ですが、前方向に挙げればフロントレイズといって、三角筋の前部に負荷をかけることができる種目になります。三角筋の後部に負荷をかけるのはリアレイズという種目になります。上級者はこれらを使い分けて、三角筋の狙った場所に負荷をかけるようなことをします。

初心者の場合は、まずはサイドレイズを正しいフォームでしっかりできるようになることを目指しましょう。

ダンベルカール

ダンベルを持った腕を曲げ伸ばしして、力こぶを作るような動作を繰り返すのが「ダンベルカール」です。まさに力こぶを作る主要な筋肉である、上腕二頭筋を主に鍛えることができ、太い腕を目指す人には大切な筋トレメニューです。

ダンベルカールは一見、動作も単純ですし簡単だろと思うのですが、重量が上がると、無理に挙げようとして腕を引く動作が入ってしまったり、反動をつけて振り回すような感じで挙げてしまうケースが多いです。そうすると効果的なトレーニングになりませんので、無理せずしっかりと自分のフォームをコントロールできる重量で行うようにしましょう。

トライセップスキックバック

上腕二頭筋とあわせて、太い腕を形作る腕の主要筋肉である上腕三頭筋をターゲットにしたダンベル種目はいくつかありますが、その中でも初心者が取り組みやすいのが「トライセップスキックバック」です。

所謂、二の腕のぷるぷる的なものが気になるというのは女性の方にも多いと思いますが、上腕三頭筋は、まさにその部分。軽いダンベルでもよいので鍛えてあげると、引き締めることができます。

ダンベルを使った下半身の筋トレ

デッドリフトのように背中の筋肉もターゲットになる種目もありますが、主に下半身の筋肉を鍛えるためのダンベル種目を紹介します。

ダンベルスクワット

ビッグ3のひとつ、スクワットをダンベルを使って行えば、「ダンベルスクワット」になります。両手にダンベルを持って負荷をかけることで、スクワットの強度を上げます。

やってみるとわかりますが、バーベルで行うスクワットと異なり、手でウェイトを持っている状態ですので、ダンベルの重量が上がるとスクワットよりも握力の方が辛くなってくるという...... 逆に言えば握力も鍛えられるのでいいと思いますけども。

何セットかやっていると握力の方がヤバイって人は、握力を補助するストラップ(あるいはパワーグリップとも呼びます)を使ってみるのもよいかもしれません。握力がなくて情けないなんて思う必要はないです。大切なのはスクワットの方に集中することですし、無理したことで、ダンベルを落として怪我をしたりしてもつまらないですからね。

ダンベルデッドリフト

スクワットと同じビッグ3のひとつ、デッドリフトもダンベルで行えます。これが「ダンベルデッドリフト」ですね。バーベルよりも可動域が広く取れるため、背中の筋肉に効かせやすいなどメリットもあります。

ダンベルを使った背中の筋トレ

背中のトレーニングもダンベルで行えます。主に広背筋を鍛える種目を紹介しますが、広背筋は逆三角形のシルエットを作る上でとても重要な筋肉ですので、特に男性は、しっかり背中を鍛えることをお勧めします。

ダンベルワンハンドローイング

ダンベルを使った背中のトレーニング種目の中でも特にメジャーな種目が「ワンハンドローイング」です。ワンハンドという名前の通り、片手ずつ行う種目になりますが、片手ずつ行うことで、重めウェイトを使って強度の高いトレーニングが行えるのがメリットです。

ダンベルベントオーバーローイング

「ベントオーバーローイング」は、ハーベルで行うことともできる背中のトレーニングメニューですが、ダンベルで行うことも可能です。こちらも広背筋をメインに鍛える種目になります。

結構フォームの習得が難しい種目なので、下記の動画などを繰り返し確認してコツを掴んでください。

ちなみに、どうしても前傾した姿勢を保持するのが難しい人は、インクラインに角度を付けたベンチに胸とお腹をつけて寄りかかった状態でやるという方法もあります。インクラインベンチを持っている場合は、試してみるとよいと思います。

まとめ・その他

筋トレの知識を得る上で参考にした書籍やWebサイト、お勧めのユーチューバーさんなどを紹介。あと更新履歴も最後にまとめています。

まとめ

かなり分量が多くなりましたが、下記に要点をまとめておきます。各セクションへのリンクも張っていますので、詳しくはそちらをご覧ください。

  • まずはしっかりしたゴールイメージを決めること。その際は数値より、「体脂肪率別の見た目」で目標を決めるとイメージがしやすい(参考:「ゴールイメージを決める」)
  • 目的によって筋トレや食事制限の仕方は変わる。自分の目的を見失わないように
  • まず重要なのは「食事制限」、ただし、食事制限だけで痩せようとすると筋肉量が落ちてしまうので、筋トレと十分なタンパク質の摂取をセットで考えることが重要(参考:「カロリー収支をマイナスにすれば必ず痩せる」、「ダイエットに筋トレが必要なわけ」)
  • 闇雲に食事制限しても意味がない。まずは自分に必要なカロリーと栄養素についてきちんと把握することが大事(参考:「自分に必要なカロリーと栄養素を把握しよう」)
  • 筋トレの最も重要な原則は「漸進性過負荷の原則」で、これを無視しては意味がない
  • 筋トレ初心者はまずビッグ3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)に取り組むべし(参考:「初心者がまずやるべき筋トレ」)
  • タンパク質摂取の重要性をしっかり理解し、サプリメントなどを併用して適切な摂取を心がけよう(参考:「筋トレ時に重要な栄養素とお勧めサプリ」)
  • 自宅でも色々な筋トレを行うことができる。特にダンベルとベンチがあると種目が一気に広がるのでお勧め(参考:「自宅でできる筋トレ」)
  • とにかく無理はしないこと。無理な食事制限、度を超して頻繁な筋トレ、無茶な有酸素運動...... 大切なのは長い目で見て習慣化できるダイエットやボディメイク。無理をして怪我をしたり、短期間で挫折するのでは意味がない

私の1週間の筋トレメニュー

参考までに(参考になるかはわかりませんけども)、私が現在行っている筋トレのメニューを下記にまとめておきます。

このメニューは自分のトレーニング歴や、扱える重量の変化などに応じて変えていくことになると思いますので、大きく変わった場合は適時更新しますが、概ね毎週こんな感じでやってますという感じで見ていただければと思います。

お休み
お休み

パーソナルトレーナーさんにお願いしている日

  • ベンチプレスから始まって、ダンベルベンチプレス(フラット or インクライン) or ダンベルフライで胸(各3セット)
  • ラットプルダウン or ロープーリー or TRXサスペンショントレーニングなどを用いて背中(各2~3セット)
  • 下半身はスクワットとデッドリフト(各3セット)。デッドリフトやった日はスクワットは低重量×高レップでやったりみたいな変化あり
  • その他、状況によって加圧トレーニングを組み込んでみたり、ダンベル種目を付け足したり

上記のような感じで概ね50分~1時間のメニューを組んでもらいます。トレーニング終了後は、ジムから自宅までの帰り道が距離的に徒歩で20分くらいあるので、その歩きを有酸素運動にしています。

お休み
お休み

自宅筋トレの日(予定入ってて土曜日にできなそうな週は前日の金曜日にやる)

  • ウォーミングアップに腕立て伏せ(プッシュアップバー使用で10回~15回程度)
  • ダンベルベンチプレス(10回以上×3セット)
  • ダンベルフライ(10回以上×3セット)
  • ダンベルワンハンドローイングを両腕各10回以上×3セットずつ
  • サイドレイズ→アップライトローイング→ショルダープレスのトライセットを3セット(各種目10回以上)
  • ダンベルカール→トライセップスキックバックのスーパーセットを3セット(各種目10回以上)
  • ダンベルスクワット(10回以上×3セット)
  • ダンベルブルガリアンスクワット(左右各15回×2セット)
  • ダンベルデッドリフト(10回以上×3セット)
  • アブローラー(膝コロで、15回~20回×3セット)
  • 有酸素運動(詳細は後述)

回数が「10回以上」となっているのは、最低10回で、「今日は12回」とか「今日は15回」みたいな感じで日によって目標回数を変えながらやっているためです(最初に回数決めたらキツくてもその回数やりきる)。

お休み or 腹筋のサーキットトレーニング

  • アブローラー(膝コロ / 10~15回)→クランチ(10~15回)→レッグレイズ(10~15回)→スクワット(自重のみで10~15回)→ダンベルツイスト(5kgのダンベル使用 / 左右に各10回ずつひねる)という5種目を各種目間はインターバルを取らずに3セット(セット間だけ1~3分くらい休憩)
  • 上記が終わってまだやる気が残っていたら有酸素運動(詳細は後述)

こちらも一部種目で回数に幅があるのは、ダンベルトレーニングと同様、「今日は15回の日」みたいな感じで最初に目標回数を決めてからスタートしているためです。

上記が基本で、あとはお仕事の忙しさや、週末の予定の入り具合などで調整します。最大で週3回ですけども、日曜日に入れている腹筋のサーキットトレーニングはトータルでも30分くらいで終わる軽めのやつで、しかも腹筋だけですから、全身しっかりやるのは週2回になります。

ちなみに、お金払っているパーソナルトレーニングの日に疲れていたりしてしっかりとした強度でトレーニングできないと、それはお金の無駄なので、トレーナーさんにお願いしている日の前日2日間は、絶対に筋トレせずしっかり休む日という風に決めています。

なお、自宅で行うダンベル種目(特にダンベルベンチプレスやダンベルフライ)は、トレーナーさんに見てもらっている時に扱っている重量を参考にしつつ、そこから少しだけ軽めの重量を設定して行っています。

というのは、トレーナーさんが隣で見てくれている時とは違い、自宅では何かあったときに助けてくれる人がいないので、あまり自分の限界重量に近いところでやると怖いっていうのと、自宅にベンチがなくてストレッチポールの上でやってるので、それも怖いから。まぁ後者はベンチ買えやって話なんですけどね...... マジでそろそろベンチ買おうかなと思っているところです。

有酸素運動

自宅での筋トレ後にやる有酸素運動ですが、私は「踏み台昇降」をやってます。というのはたまたまうちに奥さんが昔買ったリーボックの「イージートーンステップ」があったのと、踏み台昇降なら場所も取らないので。

時間的には25~30分を目安にやってます。黙々とやってても飽きるので、私の場合は、iPhoneのミュージックアプリなどで、大体30分くらいになる好きな曲のプレイリストを作っておいて、そいつを聴きながらやって、1周したら終わり、みたいな感じにしています。

踏み台昇降のペースはそんなに速くなく、具体的に言えば1秒で上がって、1秒で下りるよりちょっとだけ遅いくらいのペース、なので3秒で1往復くらいですかね。あまり「はぁはぁ」息が上がらない程度にというのが目安。

適切な有酸素運動の強度については「筋トレが体脂肪の減少を促進」セクションで解説した通りです。

参考にした or お勧め書籍

このページを作成するにあたって参考にした書籍や、その他、筋トレ関連の勉強をするのにお勧めの書籍を紹介します。

タンパク質とアミノ酸

山本義徳氏による、タンパク質に関する教科書的書籍。タンパク質の構造から、プロテインの飲み方、選び方の実際などについて豊富な論文を基に詳しく解説してくれています。前編、後編に分かれていますが、2冊とも必読。

Starting Strength

ビッグ3の正しいフォームを覚える」セクションでも紹介したのですが、パワーリフティング系筋トレのバイブルとも言われる名著。英語の書籍ですがとてもお勧めです。

プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典

筋トレをするのに、とりあえずどんな筋肉がどういう形で身体についているのか、知らなきゃダメだろということで最初に買ったのがこの書籍。画像とデータで細かく解説してくれているので、筋トレするなら手元に持っておきたい名著です。

筋トレの各種目を効果的に行う上で、筋肉がどこの骨からどこの骨に向かって付いているのか(「起始」と「停止」)、さらに各筋肉が関節の動作に対してどのように作用するのかを知ることはとても重要です。この書籍はそういった点を理解するのにとても役に立ちます。

NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識 第2版

NSCA(National Strength and Conditioning Association)がパーソナルトレーナー向けに行っている認定試験に「NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)」資格認定がありますが、その認定試験の準備教材として発行されている書籍です。

パーソナルトレーニングにおける理論、実践を網羅した書籍で、パーソナルトレーナーを目指す人が勉強するのに使うものですが、私もしっかり勉強してみようということで購入して読み進めています。

参考になるユーチューバーさん

筋トレのフォームや理論などを解説してくれるユーチューバーさんの中でも、私がチャンネル登録して、よく視聴させてもらっている方々を紹介。個人だけでなく企業の公式チャンネルも混ざってます。

紹介している方の中には「ユーチューバーさん」って呼び方が適さない方や、ご本人がそういう呼ばれ方をあまり好ましく思わない場合もあるかもしれませんが、ここではわかりやすくこの言葉を使わせていただいてます。あらかじめご了承いただければ幸いです。

  • katochan33 さん
    フォームの解説とか含めてとてもわかりやすく丁寧に説明した動画を毎回上げてくれる、初心者にとってはとてもありがたいユーチューバーさん。質問への回答動画なども超ありがたい。
  • SPM KATO チャンネル
    上の「katochan33」さんの別チャンネル。こちらも解説動画などとてもわかりやすいです。このページでも「自宅でできる筋トレ」セクションでかなりの量、紹介させていただきました。
  • Sho Fitness さん
    ビッグ3の正しいフォームを覚える」セクションで思いっきり使わせていただきましたが、とにかく理論的な解説を聴きたければこの方、というくらい個人的にイチオシの方です。
  • Kanekin Fitness さん
    とにかく編集の仕方が綺麗で動画としてかっこいいので主にモチベーション上げるために好きで観ているユーチューバーさん。トレーニング動画の中に、ポロッと重要なアドバイスとかが混じっているので勉強にもなります。ちなみに Kanekin さんは、「Kando Bando」というバンドのギタリストとしても活躍された方です。
  • d-sun ディーサン さん
    「ディーサンさん」ってなんか「さかなクンさん」みたいな感じであれですが、色々なサプリの使用レビューやら、身体を張った動画が多い方。初心者でも取り組みやすいトレーニングメニューを紹介してくれたりと、とても参考になるユーチューバーさんです。
  • OfficialThenx チャンネル(英語)
    マイアミにある「Thenx」というフィットネスジムがやっている公式チャンネル。CEOであるChris Heria氏が動画の中心ですが、彼は「カリステニクス(Calisthenics)」と呼ばれる、ストリートワークアウトの世界的アスリートで、ちょっと他の人とは違う様々なワークアウトを紹介してくれるため観ていて飽きない。
  • SBD Apparel Japan 公式チャンネル
    パワーリフターとして活躍されている渋谷優輝氏が個人的に好きで、トレーニング解説とかよく観てるんですが、ウエイトトレーニングに特化したスポーツ用品メーカーである「SBD Apparel Japan」さんの公式チャンネルで公開されているのでチャンネル登録してます。トップアスリートですし、自分とはあまりにレベルが違いすぎて安易に「参考にしてます」なんてことは、おこがましくて言えないんですけども、やはりトップアスリートのビッグ3のフォームは美しいので観ているだけでテンション上がります。

参考サイト

このページを作成するにあたって参考にしたWebサイトなどを紹介。

  • リハビリmemo
    理学療法士・トレーナーの方が書かれているブログ。エビデンスに基づいた記事がまとまっているため、とても勉強になります。
    トレーナーさんが言うことや書籍などの内容も、根拠を辿ればこのサイトで紹介されているような論文などに行き着くと思うのですが、トレーナーさんが言ったことにいちいちそれの根拠は? とか聞けないし、書籍なども根拠となる論文までは書かれていないことが多いんですよね。で、みんな言うけどその根拠はどこよ、って調べているときにこのサイトを見つけて、本当に参考になりました。

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