JIS X 8341-3:2016 を読み解く 1.2.8 メディアに対する代替コンテンツ(収録済み)の達成基準

JIS X 8341-3:2016 の各達成基準を具体的な実装例などを交えて簡単に解説する「JIS X 8341-3:2016 を読み解く」シリーズ。達成基準 1.2.8「メディアに対する代替コンテンツ(収録済み)の達成基準」について解説します。

  1. 1.2.8 メディアに対する代替コンテンツ(収録済み)の達成基準

JIS X 8341-3:2016 における、「1.2.8 メディアに対する代替コンテンツ(収録済み)の達成基準」の原文は下記の通りです。

全ての収録済みの同期したメディア及び全ての収録済みの映像しか含まないメディアに対して,時間依存メディアに対する代替コンテンツが提供されている(レベル AAA)。

この達成基準は、例えば全盲、もしくは視力が弱すぎて映像につけられたキャプションを確実に読むことができず、かつ聴力も弱すぎて発話や音声解説を確実に聞くことができない利用者に対して代替コンテンツを提供することで、同期したメディアによって伝えられる情報へのアクセスを提供することです。

「同期したメディア」とは、「他のフォーマットと同期した音声もしくは映像、または時間に依存するインタラクティブな構成要素と同期した音声、または映像」を指しますが、よりわかりやすく言えば音声付きの映像コンテンツや、アニメーションに対してそれと同期される形で再生される音声コンテンツなどのことです。

適合レベルは「AAA」に分類されています。

簡単な解説

具体的にどのような適合例が考えられるでしょうか。下記にいくつか挙げてみましょう。

  • ある専門家 2 名による対談の動画が提供されています。その映像に映し出された内容をすべてテキストとして書き起こした代替コンテンツが同時に提供されています。

代替コンテンツの提供

テキストによる代替コンテンツを提供することによって達成基準を満たす方法を選択する場合、代替コンテンツ、つまり映像に対する説明テキストは、映像内の主要な会話だけでなく、笑い声や画面外の音といった映像の内容、コンテキスト(文脈)を理解する上で必要な情報、さらに人や物の動き、登場人物、あるいはその表情の変化や場面転換、または画面上の文字に関する情報のうち、コンテンツを理解する上で重要、かつ主音声では説明されていない、あるいは話されていない情報といった、あらゆる視覚的な情報に対する、完全な説明を提供することが求められます。

また、この説明、および会話の書き起こしテキストの順序は、同期したメディアにおける順序と同じである必要があります。

要するに映像で提供されているすべての内容を文字として表現したものと考えると理解がしやすいでしょう。

補足

なお、達成基準 1.2.3 「音声解説又はメディアに対する代替コンテンツ(収録済み)の達成基準」(適合レベル A)は、本達成基準(1.2.8)と同様、代替コンテンツの提供が達成方法の選択肢のひとつとして示されています。

もし、達成基準 1.2.3 を代替コンテンツを提供する方法ですでに満たしていた場合、必然的に本達成基準を満たすことになるでしょう。

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