JIS X 8341-3:2016 における、「1.2.7 拡張音声解説(収録済み)の達成基準」の原文は下記の通りです。
前景音声の合間の時間が,音声解説で映像の意味を伝達するのに不十分な場合,同期したメディアに含まれている全ての収録済みの映像コンテンツに対して,拡張音声解説が提供されている(レベル AAA)。
この達成基準は、全盲、または視覚障害のある利用者に、標準的な音声解説で提供できるものを越える拡張された音声解説を提供することで、同期したメディアによって伝えられる情報へのアクセスを提供するものです。
「同期したメディア」とは、「他のフォーマットと同期した音声もしくは映像、または時間に依存するインタラクティブな構成要素と同期した音声、または映像」を指しますが、よりわかりやすく言えば音声付きの映像コンテンツや、アニメーションに対してそれと同期される形で再生される音声コンテンツなどのことです。
音声解説は、映像内の人や物の動き、登場人物、あるいはその表情の変化や場面転換、画面上の文字に関する情報のうち、コンテンツを理解する上で重要、かつ主音声では説明されていない、あるいは話されていない情報など、すべてについての解説を提供しますが、例えば場面転換が早かったり、多くの会話が連続的にされている場合など、主要な音声の切れ間だけを利用してこれら音声解説を提供することが難しい場合もあります。
拡張音声解説とは、必要に応じて映像を一時的に停止するなどして音声解説を再生し、解説が完了したら映像の再生を再開するといった方法で、音声解説を提供するための追加の方法です。
ただし、拡張音声解説を必要としない利用者にとっては、逆に映像をスムーズに閲覧できない原因となってしまうことも考えられるため、拡張音声解説の機能については、有効、無効を選択できる方法を提供するか、拡張音声解説のあるバージョンと、ないバージョンを分けて提供するといった方法をとるとよいでしょう。
適合レベルは「AAA」に分類されています。
音声解説について
音声解説は、映像内の人や物の動き、登場人物、あるいはその表情の変化や場面転換、画面上の文字に関する情報のうち、コンテンツを理解する上で重要、かつ主音声では説明されていない、あるいは話されていない情報など、すべてについての解説を提供することが求められます。
これらは映像の進行に合わせる形で提供される必要がありますが、前述したように、会話の切れ間などを利用して提供するのが難しい場合は、拡張音声解説による提供が求められます。