2025年10月21日付けにて、W3C が勧告するウェブアクセシビリティの標準である「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2」が、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)の合同技術委員会(JTC 1)によって、「ISO/IEC 40500:2025」として正式に承認されたことが W3C のプレスリリースにより公表されました。
WCAG 2.2 は、ISO/IEC JTC 1において公開仕様(PAS: Publicly Available Specification)として処理されており、以下、ISO のウェブサイトから取得可能になっています ※。
※ なお、実際には9月の時点で公開されていました(以下の X ポスト参照)。
なんかきてた
ISO/IEC 40500:2025 - Information technology -- W3C Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2https://t.co/49xHo7R4VB— Yoshiki Kato (@burnworks) September 24, 2025
ISO/IEC 40500:2025の詳細
プレスリリースの内容によると、今回承認された「ISO/IEC 40500:2025」は、「2023年10月5日版」の WCAG 2.2 に基づく一致規格となっています。このバージョンは、WCAG 2.2 がはじめて W3C 勧告(Recommendation)となったバージョンです。
現在の最新版は「2024年12月2日」版ですが、これは達成基準など重要な部分に変更が入ったものではなく、細かい文言、表記方法、誤字修正が入ったもので、この差分は実際のウェブアクセシビリティ対応に影響しません。また、W3Cは引き続き「ISO/IEC 40500」を最新版の WCAG 2.2 に一致させる更新する作業を進めており、2026年後半には「ISO/IEC 40500:2026」として利用可能になるとの予想がされています。
日本国内における動き
WCAG 2.2 の ISO/IEC 規格化を受けて、日本においても「JIS X 8341-3」の改正が2026年にはいよいよ本格化することになるでしょう。
このような状況下で、例えば、「今からウェブアクセシビリティ対応をはじめる場合に、JIS X 8341-3:2016 を対象規格にしてよいのだろうか?」あるいは、「改正が近いのであれば、古くなる可能性の高いガイドラインを使わず、JIS X 8341-3:202x へと改正されるのを待ってから取り組みをはじめた方がよいのではないだろうか?」といったことをお考えの企業様もいらっしゃるかもしれません。
また、すでにウェブアクセシビリティ対応に取り組まれている企業様においては、「今まで JIS X 8341-3:2016 を対象規格に取り組んできたことが無駄になるのでは?」と心配される可能性もあるかも知れません。
このような点に関しましては、以前、本コラムでも以下の記事を書いておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。結論から言えば、そんなことは気にせず、今できるウェブアクセシビリティへの取り組みを進めてくださいということになります。
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